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「世界が魔女の森になるまで」
前橋文学館で4日から川口晴美展
2023.03.03
第30回萩原朔太郎賞受賞者、川口晴美さんの企画展「世界が魔女の森になるまで」が3月4日、前橋文学館で始まる。受賞作『やがて魔女の森になる』をはじめ、川口さんの詩集や同人誌、オブジェなど200点を意表を突いた展示方法で紹介。型にはまらない自由な詩作の世界に誘う。同時に朔太郎賞歴代受賞作展を開いている。5月21日まで。
遊び心いっぱいの詩の世界
文学館2階の会場入り口では枯れた森の中を歩く川口さんを写した巨大パネルが出迎える。暗闇のような奥では光で言葉を感じられるインスタレーションが天井から吊るされ、「魔女の世界」に踏み込んだ感覚を覚える。
魔女は遊び心がいっぱいのよう。建築図面に描いた建築家の弟さんとのコラボ作品や大好きなアニメをモチーフにした作品を出展。「詩をポケットに」のコーナーではB5版の紙に16種類の詩を印刷、自由に組み合わせて「あなただけの詩集を作ろう」と呼び掛けている。モニターでは川口さんの朗読やおしゃべりを楽しむことができる。
文学館も川口ワールドを楽しんでもらおうと、展示に工夫を重ねている。「川口さんの自由な感じを視覚的にも表現したい」と学芸員の石塚まりこさん。詩集をコインロッカーに入れたり、詩のワンフレーズを缶バッチにして「コドバのガチャ」で1人に1個プレゼントする。
同時開催の歴代受賞作展は第1回の谷川俊太郎さんをはじめ29人の受賞作と関連資料を展示する。本人の朗読などテレビ放映された映像も特別編集して紹介する。
企画展に寄せて、川口さんは「魔女の森…といっても全然こわくありませんから、ちょっと風変わりな言葉が繁茂している期間限定の空間へ散歩がてら遊びに来た、くらいの気軽さで、どうぞお過ごしください」とコメントしている。
川口さんは1962年、福井県生まれ。早稲田大第一文学部卒。2010年に詩集『半島の地図』で山本健吉賞、16年に『Tiger is here.』で高見順賞を受賞している。国学院大、文教大非常勤講師。
「第30回萩原朔太郎賞受賞者 川口晴美展」
・会場 前橋文学館
・会期 3月4日~5月21日(5月3日を除く水曜と5月9日は休館)
・時間 9時~17時
・観覧 一般500円(高校生以下、障害者手帳持参の人と介護者1人は無料)
・企画 歴代受賞者座談会(3月19日)
作品朗読会(4月23日)
ワークショップ(5月6日)