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小池アミイゴさんの原画に出会える 
29日まで「はるのひの展覧会」

2023.01.27

小池アミイゴさんの原画に出会える 
29日まで「はるのひの展覧会」

前橋市出身のイラストレーターで絵本作家、小池アミイゴさんの作品約70点を展示する「はるのひの展覧会」が1月29日まで弁天通りの陶舗「石渡」で開かれている。2022年に日本絵本賞を受賞した絵本「はるのひ」の原画が中心。物語の舞台は小池さんの故郷、赤城南麓の粕川町をイメージしているという。開催期間中、全日、小池さんは在廊する。

失ったものを取り戻したい

入口を入り、右手には「はるのひ」のアクリル原画、左手には自然を描いたイラストレーション作品が並ぶ。日本各地を巡り、製作活動をしている小池さんならではの世界が広がる。

「はるのひ」の舞台は故郷、前橋だ。赤城南面の田園風景の中で展開される、主人公、ことくんの初めての冒険と親子の絆がテーマ。「父が他界した2018年から3年かけて製作しました。70年代、里山の自然が崩れ始め、80年代、前橋の街中が衰退し始めた。1993年には粕川町の実家が焼失。失われたもの全てを自分の中で再構築するような気持ちで描きました」と小池さん。

 

▲主人公のことくんは「僕の息子に似ている、といわれます」と小池さん

▲日本絵本賞を受賞した「はるのひ」

今回の展覧会のきっかけは学生時代の同級生で、伊勢崎市で中学の校長をしている女性の言葉だった。「子供たちが夢を持てない時代になった。彼らに夢を与えてほしい」。中学で講演をすることも考えたが、コロナ禍では難しい。そこで「昔から大好きだった前橋の街なかで展覧会を開くことにしました。たくさんの子供たちに見に来てほしい」と話す。

会場は2021年に閉店した陶舗「石渡」。「陶器店だった頃を偲び、入口左手側はお皿を並べるように絵を飾ってみました」と小池さん。

▲ガラス棚を生かし、器を並べるように絵を展示

店舗はこの展覧会が終了後、大規模改修が行われ、春にはあんこ菓子専門店「あんこもん」として生まれ変わる。「1977年創業の店の見納めにもなります。創業年のロイヤルコペンハーゲンのイヤープレートも展示しています」と「石渡」オーナーの二男、石渡洋介さん。

会場では絵本の販売も行っている。購入者にはその場で、小池さんが似顔絵を描いてくれる。

▲1977年のイヤープレートを持つ石渡さん

▲気さくに似顔絵を描く小池さん

▲「家宝にします」と大感激のファン

小池アミイゴ×陶舗 石渡「はるのひの展覧会」
日時/1月27、28、29日 12時~18時
会場/陶舗 石渡(前橋市千代田町3-4-7、弁天通り)
入場無料