watch

見たい

葛藤、悩み、勇気そして希望
榛名女子学園作品展始まる

2022.12.14

葛藤、悩み、勇気そして希望
榛名女子学園作品展始まる

女子少年院「榛名女子学園」の少女が制作したアートを集めた作品展が12月14日、前橋・馬場川沿いの喫茶マルカで始まった。アートセラピーの授業などで制作した絵画、書、短歌・俳句を展示している。作者の感想文も添えられ、動物を愛しむ優しい気持ちや社会や家族への揺れる心、更生を誓う強い意志が伝わってくる。

絵画、書、短歌・俳句を紹介

絵画はSDGs、回転寿司、無題と多彩なタイトルが並ぶ。家族画は2つに分かれてしまった家族を取り上げ、淡々と「私が撮った写真風」に描いた。

「愛護」と力強く書いた書には「殺処分されてしまう動物を救えるのは人間しかいない」と寄稿している。

▲ひと際目立つコラージュは「無題」

▲七夕飾りのように吊るされた短歌・俳句

▲書は4席。しっかり書かれている

天井から吊り下げられた短歌・俳句は言葉だけに彼女たちの切なさや希望が感じられる。「少しずつ 閉ざしき心 開ける瞬間 一歩前進 強い自分」。大人を信じられなかった少女がここに来て信頼できる大人に出会えた素直な喜びを綴っている。

少女の作品に加え、アーティスト、榎本浩子さんが学園を訪れた際の訪問記がイラスト入りで紹介されている。職業訓練に励む様子や食事、パートナードッグとのふれあいで明るく過ごしていることがうかがえる一方、発達障害があったり、虐待や貧困に苦しんでいた様子が分かる。

作品展を企画したアートコーディネーター、小田久美子さんは「作品やコメントをじっくり見て、この子たちがどんな子なんだろうと想像してほしい。自己責任論だけにとどまらず、私たちの社会にある問題に改めて向き合うきっかけになる」と来場を呼びかけている。

▲天国に行った月(ルナ)に贈る言葉の数々

▲「作品を見て、彼女たちを感じて」と話す小田さん

榛名女子学園作品展

・期間 12月14日~26日(20日は休み)

・時間 11時~18時30分

・会場 喫茶マルカ(前橋市千代田町4-1-18)

・入場 無料(ワンドリンク注文を)