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「花将軍」 波乱の生涯描く
前橋の歴史作家、智本光隆さん
2026.06.29
前橋市在住の歴史作家、智本光隆さん(48)が、南北朝時代の公家であり、武将でもあった北畠顕家を主人公にした歴史小説『北畠顕家の旗-蘭陵王太平記-』を出版した。足利尊氏に恐れられ、新田義貞が信を寄せた「花将軍」。短くも燃え上がった生涯を描いている。
主人公は南北朝の北畠顕家
北畠顕家は後醍醐天皇の側近として知られる北畠親房の長男。10代で公卿となり、陸奥将軍府を率いて各地を転戦した南朝屈指の名将で、足利尊氏との戦いで活躍した。わずか21歳で戦死したものの、その生涯は後世まで語り継がれている。
美しい姿と品位から「花将軍」と称され、1992年に放送されたNHK大河ドラマ「太平記」では後藤久美子さんが演じた。
美しい姿と品位から「花将軍」と称され、NHK大河ドラマ「太平記」では後藤久美子さんが演じた。
新刊は顕家の波乱に満ちた生涯を描いた長編歴史小説。後醍醐天皇の前で舞楽「蘭陵王」を舞ったという逸話を題名に取り入れ、動乱の時代を駆け抜けた若き花将軍の姿を活写している。
顕家は軍勢の先頭に「錦の御旗」と「風林火山」の旗を立てていた。
小説では最後の戦いに及び、二つの旗の真ん中に泥に汚れ、血が滲み、破れかけた白旗を上げた。新田義貞が「金ケ崎十六騎駆け」で用いた旗で、「顕家には他のどんな旗よりも光り輝いて見えた」と記している。
一緒に旅をした小説
12年前から構想を練っていた智本さんは顕家に関する著書を読み、顕家が駆けた東北や鎌倉、京都を歩き、大作を書き上げた。第23回松本清張賞で三次選考まで残った。
智本さんは「東北とは無縁だった公家の若者が悩み、苦しみ、多くの学びや気づきを経て成長していく。執筆を終えた時に『一緒に旅をした』と思える、そんな主人公でした」とあとがきで綴っている。
四六判、392ページ。出版は郁朋社。定価1650円(税込)。前橋市内の書店、ネットで販売している。
智本光隆(ちもと・みつたか)
1977年、前橋市生まれ。南橘中-明和県央高-京都精華大―同大学院-群馬大大学院社会情報学研究科修士課程修了。2008年、南北朝動乱を描いた『風花』で歴史群像大賞優秀賞を受賞、2010年に『関ケ原群雄伝』でデビューする。近作に『猫絵の姫君-戊辰太平記-』、『銅の軍神-天皇誤誘導事件と新田義貞像盗難の点と線』、『氷上の花光らしむ―幻の札幌五輪を夢見たカーリングガールズ-』がある。本名・千本木智明。


