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学びたい
3年2組、絵本屋さん開きます
3月2日と3日、前橋市中心街
2024.02.28
「絵本がピンチだ」「じゃあ、みんなで助けようよ」―。群馬大附属小学校(渡部孝子校長)の3年2組は3月2、3の両日、前橋市のまちなかにある「map前橋“市民”ギャラリー」で2日間限りの絵本屋さんを開く。読まれなくなってタンスに仕舞(しま)われていたり、本箱(ほんばこ)でほこりをかぶっている絵本を持って来てもらい、これから読みたい友だちに繋(つな)いで大事(だいじ)にしてもらう絵本のトレーダー。「ぜひ、ピンチな絵本を救(すく)い、絵本のヒーロー、ヒロインになってください」と来店をよびかけている。
眠っている絵本をほしい人に
「何人来てくれるかな」「30人、いや50人」「目標(もくひょう)は?」「100人を目指そうよ」。
開店を間近にひかえた2月末の総合的(そうごうてき)な学習(がくしゅう)の時間「くすの木タイム」。児童はお客さんの数を予想(よそう)しながら、うれしそうに看板(かんばん)やポップ作りの準備(じゅんび)にあたった。
絵本を読むのを“卒業(そつぎょう)”する子が多くなる学年。1年間かけて、くすの木タイムで改めて幼児期にお世話になった絵本について考えることにした。
全校児童にアンケートすると高学年になるほど読まなくなり、捨(す)てようかと迷(まよ)っている人もいることが分かった。「それでは絵本がかわいそうだなと思い、みんなで絵本を救う作戦(さくせん)を考えることになった」と学級委員の一人、大谷紗桜さん。
絵本のことを知るため、絵本の専門家(せんもんか)を先生に呼んで授業(じゅぎょう)を受けた。前橋市中心街で絵本専門店「本の家2」を経営する石川知恵子さんからは市内に絵本を扱う本屋さんが少なくなっていること、子供にも大人にも絵本が大事(だいじ)な存在(そんざい)であることを教わった。
8種類の絵本を全員で制作
絵本作家の女性からは絵本作りを学び、実際に自分たちで絵本を作ることになった。学級委員の平澤歩夢さんは「思いがきちんと伝わるかむずかしかったけど、自分が作家になって絵本が好きになった」と振り返る。
角張愛奈さんのグループは『えんぴーとけっしーのかくれんぼ』を作った。机の上に置きっ放しにした鉛筆(えんぴつ)や消しゴムたちが隠れてしまい、勉強ができなくなるというストーリー。「身近(みじか)な文房具(ぶんぼうぐ)を題材(だいざい)にすることにした。どういう内容にするかを決めるのが大変だったけど、みんなで話し合ってよくできたと思う」と満足(まんぞく)そう。
『すてきなあいさつ』は武田彩花さんたちのグループの作品。主人公が朝起きてから動物や家族、外国人(がいこくじん)や宇宙人(うちゅうじん)ともあいさつしていくユニークな物語で、「あいさつすることでだれとも仲良くなれ、笑顔(えがお)になれるように願って作った」とうれしそうに話す。
8つのグループが1種類(しゅるい)ずつ、絵や文は1人1人がタブレットを駆使(くし)して制作(せいさく)、34の絵本が完成(かんせい)した。
「絵本のまち」を楽しもう
「くすのき絵本屋」では絵本のトレードをはじめ、児童が制作した絵本の展示(てんじ)、お薦(すす)めする絵本の紹介(しょうかい)もする。店員は34人が交代して勤(つと)める。
会場について、担任(たんにん)の関口雄基先生は安全性ややりやすさを考えて「体育館でやったらいいんじゃないか」と提案(ていあん)したが、児童に反対されたという。「『地域(ちいき)のことを学ぶ総合学習だから地域の人が集まりやすい場所がいい』と言われました。子供たちから教わりました」と教え子の成長に目を細める。
絵本屋さんとなるギャラリーは前橋プラザ元気21内の「前橋こども図書館」と「本の家2」を結ぶ中間点にある。当日は3会場の回遊(かいゆう)を勧(すす)め、絵本により親しんでもらう。
くすの木絵本屋さん
・会場 | map”前橋”市民ギャラリー (前橋市千代田町2-12) |
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・日時 | 3月2日(土)、3日(日) 10時~14時 |