study

学びたい

乳がんの不安な気持ちに寄り添う 
医師が指導する「リハビリ乳がんヨガ」

2023.04.24

乳がんの不安な気持ちに寄り添う 
医師が指導する「リハビリ乳がんヨガ」

乳がんの手術をしたり、治療を受けている人を対象にした教室「リハビリ乳がんヨガ」が4月から第1、3木曜、COCON前橋(前橋市千代田町)3階スタジオで始まった。講師は群馬大医学部付属病院の麻酔科医師、熊倉みなみさん。やさしいストレッチとリラクゼーションを中心にした内容で、体を動かす爽快感を感じてもらうとともに、「治療で辛いとき、みんなで集まって心の声を聞く機会になれば」と話す。

大きな呼吸でリラクゼーション

「今日の体調はいかがですか」「一緒に治療を頑張ってくれている、自分の体に感謝です…」。熊倉さんの優しい声が響くなか、ゆったりとポーズを取る参加者たち。

乳がんになると、乳房切除や抗がん剤の副作用に悩む人、治療や再発の不安から生じるストレスを抱える人が多い。「心も体も内向きになりがち。胸を開いて、いまより一段、深い呼吸をしてもらう。吐く息に乗せて、ストレスや不安を吐き出してもらいたい」と熊倉さん。

レッスンは50分。難しいポーズは無く、やさしいストレッチと筋力強化、リラクゼーションを中心とした内容になっている。術後、胸をかばって固まりがちな肩まわりを動かすことにも力を入れる。

 

 

▲肩回りをしっかり動かす

▲座る姿勢が楽なようにブランケットを用意

熊倉さんは群馬大医学部付属病院の麻酔科集中治療科の医師。ヨガインストラクターとBCY乳がんヨガ指導者の資格を持つ。

資格を取ったきっかけは、辛くて長い不妊治療を経験したことだった。「頑張っても結果が出ない。それを繰り返すうちにどんどん自己肯定感が下がり、自分の体がモノのように思えてくる。そんなときにヨガと出会い、心の声や体と向き合うことで、心底癒され、立ち直ることができたのです」

この気持ちを「患者さんたちにも味わってもらいたいと思った」という。

▲講師の熊倉さん。いまでは4児の母

参加の前に問診票

リハビリ乳がんヨガでは、参加の前にLINEやメールで、手術した術式や、いま行っている治療に関する問診票を送ってもらう。

参加費用は1回1500円。キャンセル料はない。「体調をみてご参加ください」と熊倉さん。

調子がいま一つというときは、「イスに座って、呼吸を合わせるだけでも気分転換になります」

▲イスに座ってポーズを取ることも

17年前に乳房切除をし、13年前に再発。いまも抗がん剤治療を続けているという参加者は「息切れがひどくて、最初のうちは短い呼吸しかできなかったけれど、教室の最後では長く吸えるようになりました」という。

2カ月前に手術をしたという参加者は「こんなにリラックスできたのは久しぶり」とうれしい感想を話してくれた。

リハビリ乳がんヨガ
日時/第1、3木曜11時10分~12時
場所/COCON前橋3階スタジオ
持ち物/ヨガマット(レンタル有)、飲み物、運動できる服装
参加費/1回1500円

予約、問い合わせ先

熊倉さん

メールアドレス nitta.minami@gmail.com