shop

買いたい

応援を届けるキッチンカー
入院中の子どもに付き添うパパママへ

2026.10.17

応援を届けるキッチンカー
入院中の子どもに付き添うパパママへ

 渋川市の県立小児医療センター敷地内で、入院中の子に付き添う親などに出来立ての食事を提供しているキッチンカー、「fufufu-soup(フフフスープ)」。青木佑太さん、麻純さん夫妻は、白血病と闘い4歳で旅立った長男、一馬くんと過ごす中で、自分たちのやるべきことを見出し、2022年10月より活動を開始。付き添い支援の姿は多くのマスコミでも紹介され、現在は全国から善意が寄せられている。キッチンカーは昨年から前橋でも2カ所で営業中。
(取材/柁原妙子リポーター)

手作りの温かい食事で応援する

 注文する女性の様子に、「もしかして、付き添いの方ですか?」麻純さんはそう声をかけ、『おうえんチケット』の利用方法を説明した。

 「付き添いの方は、お支払いは300円だけで、残りの金額は『おうえんチケット』を利用できます」

 『おうえんチケット』は、5年前、青木さん夫妻が一般社団法人まえばしこども食堂で導入していた善意の寄付「つながるチケット」の運用を目にして、「ぜひ真似させてください」と取り入れた。

 1枚300円。裏面には購入した人からのメッセージが書かれている。

 利用できる枚数は昨年まで1人1枚だったが、今年から現行の運用に変更した。利用は1日15食前後、金額にして10,000円分程度あるそうだ。

 応援する側の購入枚数は月により波はあるが、同じ9月で見ると昨年は約680枚、今年は約1250枚と倍近く増えている。「テレビで取り上げてもらったり、SNSで広がったり。特にSNSの力は大きい」と佑太さんは説明する。「前橋に出店している時も、この活動を知る人は購入してくださいます」。

▲チケットと添えられたメッセージ

 少しして、一番人気のお腹満足セットを注文したのは、11歳の息子の付き添いをしているお母さん。入院してもうすぐ一年になるそうだ。慣れた様子で首から下げている付き添い者のカードを提示し、窓口に並ぶ『おうえんチケット』の中から3枚を選んだ。「毎週楽しみにしています。美味しいですよ。温かくて手作りの食事は嬉しいです」と話してくれた。

 キッチンカー利用者は、通院の行き帰りに寄る親子や、時折り病院職員の姿も。若い女性の医師は「時間がある日には買いに来ます」と、おむすび一つを手に小走りに職場へ戻って行った。

▲お腹満足セット。セットには副菜も付く

 「栄養面を考えて、おむすびは雑穀米にしました」と麻純さん。1個120グラム、具は10数種類を用意。バーガーラップで包まれていて、開けばすぐ頬張れる。

 スープは定番2種類と日替わりの3種類。ほかにサバのココナッツスパイスカレーも。

 ドリンクの自家製、無農薬フルーツの酵素シロップは、割るものを水、お湯、炭酸、ダージリンティーから選べる。

 2人とも、もともとの仕事は飲食とは全く異なる業種。レシピは麻純さんが担当し、可能な限り手作りで、少しでも身体に良いものをと材料や調味料を吟味。ロスをより少なくする工夫をし、一部のスープやカレーのレシピでは伊香保の旅館「松本楼」のシェフの協力を得た。

 「『おうえんチケット』の用途はもう一つあるんですよ」と佑太さん。

 全国には病気の子どもを育てる人の支援活動をしている団体がいくつもある。fufufu-soupのしあわせカレーレトルトパックも利用されていて、その費用を『おうえんチケット』で賄っているそうだ。

 例えばNPO法人キープ・スマイリングの、泊まり込みで付き添う家族へ支援品を無償で送る「付き添い生活応援パック」。一式の中に入っていて、日本中の必要とする人の元へ届けられている。

▲パッケージデザインは前橋のNPO法人麦わら屋

応援を届ける橋渡し役

 青木さん夫妻の活動は、助けたい人と助けが必要な人を繋ぐ。

 病気で長期入院する子どもの付き添いは、心身ともに疲弊する。

 付き添い中は子どもと一緒にゆっくり食事をする時間はない。食べるものは売店などで買ってきたおにぎりやパン、弁当。

 青木さんたちは一馬くんの付き添いを24時間、約一年間二人三脚で行った。佑太さんが休職する期間もあり、経済的な面での不安もよぎったそうだ。

 2人を動かしているのは、これらの経験にある。

 善意の支援は『おうえんチケット』にとどまらない。

 2人の活動を知る医療センター近隣のコンビニから期限切迫品を、懇意にするお坊さんから果物を、必要とする人や付き添いの人にと、しばしば預けられる。ある時は「失敗して売り物にはならないけれど、味に遜色はないので」とケーキが届けられたことも。

 2人は託されたものを病院の窓口となる部署へ渡したり、キッチンカー店頭に並べるなどしている。

▲自由に持っていけるよう店頭に置かれている

 付き添いの親の支援という社会課題に取り組む2人の活動は、次のステージに進もうとしている。『おうえんチケット』利用を、小児科病棟のある病院で出店するフランチャイズ先でも可能にする構想だ。

 購入して応援したい場合はキッチンカーのほかに、ウェブでも可能。

 キッチンカーの出店は、小児医療センターは毎週月曜、水曜。前橋は毎週金曜で、第1第3は西片貝の調剤薬局元気の森、第2第4は元総社のリーフ薬局のそれぞれ駐車場。休みのこともあるので、出店日はこちらで確認を。

▲クラウドファンディングで応援を受けたキッチンカー

店舗情報

fufufu-soup

営業日 毎週月曜、水曜:群馬県立小児医療センターエントランス付近(渋川市北橘町下箱田779)
第1第3金曜:調剤薬局 元気の森駐車場(前橋市西片貝町3-123-2)
第2第4金曜:リーフ薬局元総社蒼海店駐車場(前橋市元総社町1579)
営業時間 月・水:11:00〜17:00
金:11:00〜15:00