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青猫の名刺入れいかが 
前橋刑務所と前橋文学館で共同制作

2025.03.24

青猫の名刺入れいかが 
前橋刑務所と前橋文学館で共同制作

 前橋刑務所と前橋文学館が共同で制作していた名刺入れが完成した。上質なレザーに萩原朔太郎が描いた青猫を刻印。色はイエロー、キャメル、ピンク、ブラックの4色。3月16日から前橋文学館の1階ミュージアムショップで発売している。在庫が無くなり次第、受注販売となる。
(取材/阿部奈穂子)

詩集、青猫の表紙の黄色を

 名刺入れは薄手のしっとりした本革で、軽さが特徴。ブックカバーをイメージし、名刺入れを縦にしたとき、青猫のイラストが左下に来るよう刻印されている。

 色は4色を用意した。「詩集、青猫の表紙が黄色のため、まず黄色が決まり、ビジネス用にブラックとキャメル。鮮やかな色もほしいとピンクを加えました」と前橋文学館館長の高坂麻子さん。黄色、キャメル、ピンクは発色のいいイタリアンレザーを使用している。「今後、多色展開していきたい」と話す。

▲発色の良い黄色とピンク

▲詩集、青猫の表紙の黄色を採用

 オリジナル名刺入れの開発は昨年10月から始まった。「使用感や皮の厚みにこだわり、試行錯誤を重ねました」と前橋刑務所統括矯正処遇官の玉城愛子さん。名刺の仕分けに便利なよう、内側には3つのポケットを設置した。

 出来上がった仕様書をもとに、前橋刑務所の受刑者たちが一つひとつ手作業で完成させた。「自分たちがつくった製品が世に出ることで、社会とつながっているという意欲が生まれる。それが再犯防止につながります」と前橋刑務所所長、広田肇さん。

▲写真左から広田所長、高坂館長、玉城さん

コラボ製品に力を入れる

 「前橋刑務所には1888(明治21)年の開設当時のレンカ塀がいまも残り、朔太郎の『監獄裏の林』に詠われていることから、昨年春、前橋文学館とコラボで活動ができればと提案させていただきました」と玉城さん。

 昨年12月には朔太郎の描いたイラストが入った前橋刑務所「御来監状」が完成。刑務所内で印刷、販売し、静かなブームとなっている。その第二弾として生まれた名刺入れ。「今後もオリジナル製品の制作に力をいれ、刑務所内に朔太郎の詩集や言葉に関わる資料を展示するコーナーもつくりたい」と高坂館長は話す。

▲内側は3ポケット

 オリジナル名刺入れは11.5㌢×7㌢で、価格は4400円。

 前橋文学館1階ミュージアムショップで販売中。在庫が終了後は受注販売となる。制作期間は1カ月ほど。

店舗情報

前橋文学館

お問合せはこちら
027-235-8011
住所 前橋市千代田町3-12-10
営業時間 9時~17時(入館は16時30分まで)
定休日 水曜