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「緑風街」 成人式を祝う
オール前橋の酒造り 20年に
2024.04.21
赤城南麓の田んぼで育てた酒米、前橋生まれの酵母、清らかな伏流水を使い、地元の酒蔵で仕込んだ前橋100%の地酒「緑の風の街から」、通称、「緑風街(りょくふうがい)」。20年目の新酒が完成、前橋市内のレストランに4月21日、緑風街を育ててきた酒好き50人が集まり“成人式”を祝った。
赤城が育てた米、酵母、水
「自分で育てた酒米の日本酒を呑めたら最高だろうな」。前橋市内で農業を営む岡野公彦さんが高校の同窓会で友人に語った一言がきっかけだった。偶然にも席には酵母を作った開発者もいた。
日本酒と前橋を愛する仲間が集まって「緑風街倶楽部」を結成、2004年、酒造りが始まった。
赤城山を北に臨む西大室町の田んぼで酒造好適米、「若水」を栽培、田植えや草取り、稲刈りに汗をかいた。酵母は前橋市にある群馬県産業技術センターで開発したKAZE酵母。醸造は粕川町深津の栁澤酒造。中心街を流れる広瀬川をイメージして命名した。
贅沢に「若水」を50%精米した純米吟醸。「ろ過しない方が酒の旨み、特長がよくわかる」(柳澤清嗣社長)と無ろ過にこだわり、毎年改良しながら酒造用タンク1本分を仕込んでいる。華やかな香りがして、ほんのりと甘口ながらすっきりした味わい。生酒、にごり、火入れの3タイプある。
料理に合う旨みのある甘口
20回目の新酒発表会は前橋市天川大島町の「ソーレ・ソーレ」で開かれ、東京や長野に住む会員も参加した。
販売元で緑風街倶楽部会長の町田酒造社長、町田明弘さんが「生成AIを使っても造れない酒。飲む喜びを感じ、みんなで20年目の『緑風街』を味わいましょう」と挨拶。岡野さんの音頭取りで乾杯した。
新酒に合わせてコシアブラの天ぷら、和風ピザなど特別料理が振る舞われた。鰆の酒蒸しは「緑風街」、〆のパエリアは「若水」が使われた。
新酒とのマリアージュは最高で、会員は互いに酒を注ぎ合い、出来を確認するように味わった。
生みの親である岡野さんは20年を振り返り、「夢のよう」と顔を赤らめて語った。35歳で脱サラして就農し33年。「大規模ではないが、『緑風街』のおかげで俺しかできない農業ができた。田植えや稲刈りを楽しんだ子供たちが20歳になって一緒に呑めればもう最高」と夢の続きを楽しみにしている。
「緑風街」は町田酒店で扱っている。730㍉㍑1200本と一升瓶もある。価格は720㍉㍑1815円、一升瓶3630円。
地中海本舗 町田酒店
・住所 前橋市江木町1406-4
・電話 0120-61-4984
・営業 9時~20時
・定休 日曜