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「おから」で花咲かせます
相模屋食料がバイオマスペレット開発

2023.05.25

「おから」で花咲かせます
相模屋食料がバイオマスペレット開発

豆腐製造国内最大手の相模屋食料(本社・前橋市鳥取町)は豆腐の製造過程で大量に発生、産業廃棄物として処理していた「おから」を主原料とするバイオマスペレット「おからペレット」を開発した。植木鉢の「おからポット」を製造、テスト販売している。ごみ袋や豆腐パックの商品化を進めるとともに、ペレット自体の販売にも力を入れる。前橋発の地球に優しい循環型社会の取り組みとして、全国への普及を目指す。

ポットを製造、販売始める

おからペレットはおから51%とポリプロピレン49%を混ぜて製作した。水分が多く、かびやすい、おからを資源化するため、構想から5年かけて研究してきた。特許を出願している。

商品化第1弾となったポットは前橋清風園、おかべの郷で販売している。1個1380円。プラスチックのポットに比べ、「おからの栄養分が土に溶けこみ、植物がよく育つのではないか」と期待されている。

ごみ袋はすでに試作品が完成している。豆腐パックに利用できれば、プラスチック容器を使わずに済み、脱プラスチックの動きが加速するため、商品化に向けて研究を進めている。

▲カラフルなおからポット

相模屋食料によると、同社単体で年間3万6000㌧のおからが発生している。食品に加工したり、鶏の飼料に利用するほか、最近はネコ砂の需要が増えているが、3分の1の1万2000㌧は産業廃棄物として手数料を支払い処理してもらっている。

同社は規模拡大によりコストを下げることで、ペレットと商品合わせた売上高を3年後に1億5000万円、5年後に10億円と見込んでいる。

鳥越淳司社長は「豆腐業界の常識を覆し、長年の課題を解決した。廃棄物を『金の卵』に変えることができた。グループ全社に広げ、前橋発の取り組みを全国に発信したい」と展望している。

▲おからペレットについて熱く語る鳥越社長

ザクとうふ ヒット商品を続々

相模屋食料

1951(昭和26)年10月創業。豆腐など大豆加工品を製造、販売する。2008(平成20)年度に豆腐業界トップに。人気アニメとコラボした「ザクとうふ」をはじめとするヒット商品を相次いで市場に投入、過去10年間で売上高5倍と急成長する。2022(令和4)年度の売上高は367億円。