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将来はオール群馬で挑戦する
監督・赤星大二郎さん

2022.11.12

将来はオール群馬で挑戦する
監督・赤星大二郎さん

過酷なラリー「バハ1000」に挑む「TEAM JAOS」。榛東村に本社のある4WD向けパーツメーカー、ジャオスの社内チームだ。地方を拠点とするメーカーがなぜ参戦するのか。最終回は監督であり社長の赤星大二郎さんの熱い意気込みを聞く。

成功体験がモチベーションに

―会社創業30周年の2015年にラリーチームを作りました。地方を拠点とするパーツメーカーとしては極めて異例な挑戦ですね。

SUV車向け専業パーツメーカーとして、これまで育んできた技術力やノウハウを試す舞台として海外ラリーへの挑戦を決断しました。

―大会への参戦をはじめ、チームを維持するためには多額の資金が必要です。

車両製作から始まり車両の輸送、チームの渡航費用など、ばく大な費用が掛かります。普段の業務に加えての活動となるので時間的な負荷も少なくありません。

ただ私自身はもちろんですが、弊社スタッフや周りの協力企業さまと共に過ごし成し得た成功体験は何事にも代えがたく、それがモチベーションとなり今日に至っております。

▲シェイクダウンで手ごたえをつかんだ赤星監督

―チームを作ったことで本業にはどんなメリットがありましたか。

技術力の向上はもちろんですが、社内外へのコミュニケーションも飛躍的に向上しました。こうした活動を行っている企業は国内でも珍しく、リクルート面でも弊社を知るきっかけになっています。

―国内、アジアの大会で実績を残してきましたが、バハは次元の違う過酷なレースです。

これまでのアジアの大会も決して易しくはありませんでしたが、2019年を最後にコロナ禍で大会自体が休止となりました。一方でバハは休止されずに継続開催されており、これまでの経験をフルに活かせる舞台として挑戦を決断しました。

▲スタッフとのコミュニケーションを大事にする

―監督として参戦します。初陣の目標を聞かせてください。

スタートから昼夜を問わずフィニッシュまで険しいオフロードを1000マイル(約1600キロ)駆け抜ける世界で最も過酷なデザートレースと言われております。完走率も例年50%を切っており、ヒトもマシンにも過酷ですので、初年度は先ずは何が足りないのかを知ることが目標。その上で完走そして上位入賞する体制を整えられればと思います。

3年計画で参戦します。初陣は経験値の高い米国チームの支援を受けますが、将来はオール群馬で挑戦したいですね。

▲もうすぐ本番。この疾走をメキシコで

―若者の自動車離れ指摘されています。モータースポーツの魅力を語ってください。

趣味の多様化そして首都圏では確かに自動車を持つハードルそのものが高いのは事実です。ただ地方や海外まで目を向けるとクルマ好きの若者層はたくさんいることも事実ですので、本場のデザートレースをYouTubeやSNSを通して国内外へその魅力を発信できればと思っております。

―10年後、どんな会社になっているか。未来予想図を描いてくさい。

会社を大きくするのではなく、クルマ好きの自分たちが欲しいと思い造ったカスタマイズパーツに共感して頂けるユーザーの輪を大きくしていきたい。10年後はクルマのカタチやあり方が変わっているかと思いますが、情熱やクリエイティビティがあれば生き残っていけると信じています。

▲チーム一丸で挑戦。光が差している

あかほし・だいじろう

1972年、東京都生まれ。97年、ジャオスに入社、2008年、社長に就任する。創立30周年の15年、TEAM JAOSを結成、監督を務める。15~16年シーズンはアジアクロスカントリーラリーでコ・ドライバーを務めた。