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前橋BOOK FESが開幕 
本と人、人と人、人とまちが出会う

2022.10.29

前橋BOOK FESが開幕 
本と人、人と人、人とまちが出会う

「前橋BOOK FES2022」が10月29日、前橋市中心街で始まった。30日まで。中央通りにはブルーシートの上に多数の本が並べられ、即席の古本屋さんが集まる一大古本街となった。前橋プラザ元気21では、FESの発起人、エグゼクティブ・プロデューサーの糸井重里さんとフリーアナウンサー、古舘伊知郎さんをはじめ、各界で活躍する3組6人がトークセッションした。音楽やアートなどの連携イベントが中心街で同時多発に開かれ、秋色の街がにぎわいを取り戻した。

本、トーク、音楽、グルメでにぎわい

自分が読んだ思い入れのある大事な本を誰かに繋ぎたい―。全国から届けられた2万5000冊の本を参加パスポート(2日間共通1000円)によって持ち帰る「本のやり取り」がFESのメーンイベント。現金での購入は中央通り沿いインフォネーションで受け付ける。

中央通りには中高年や若者のグループ、趣味や会社の仲間といった本好きが出店した。参加者は何度も通りを行き来し、気に入った本を見つけると店主と交渉。一冊の本への思いを引き継ぎ、大切に受け取った。

▲開会宣言をする糸井さん。夕べは人通りのない商店街を見て「人生で一番不安になった」。今日の人出に大感激

▲愛犬と一緒に参加する人も

本にまつわるトークセッション

トークセッションは本や言葉をテーマに語り合う。初日は11時から前橋新聞「me bu ku」のクリエイティブディレクターも務めるクリエイター、三浦崇宏さんとホテルプロデューサー、龍崎翔子さん、13時から古舘伊知郎さんと糸井重里さん、15時から建築家の平田晃久さんと橋本薫さんが登場した。

▲三浦崇宏さんと龍崎翔子さん

▲「コンテンツの情報を入手するのは本が1位」と強調する三浦さん。人生を変えた本は戦国時代を自由に生きた武士を描いた『花の慶次』。小学4年で読み、「アイデアとクリエイティブで自我を通せることを知った」と振り返る

▲龍崎さんは「土曜、日曜は書店で1時間過ごすことが多い。すごく『脳汁』が出ます」と笑わせる。小学5年で漫画『ズッコケ3人組 ハワイに行く』を読み、ホテルを経営する仕事があることを知り、現在に繋がっていると話す

▲古舘伊知郎さんも登場

▲「建築も自然の一部と考えれば、岩場にコブが絡まり、コブに魚の卵が絡むように、何かが絡まる余地『絡まり代』が重要になる」と強調する平田さん。来春完成する「まえばしガレリア」の設計を手掛けた

▲東日本大震災で「絆」が求められ、被災地に思いを寄せる一方、自らが地域に繋がっているかを考え、まちづくりに携わることになった橋本さん。「普通でないことをしたい」とガレリアに期待する

田中敦子さんも愛書を贈る

元気21の3階ロビーには「あの人の本」コーナーが設置された。30人以上の著名な方々から贈られた本を飾っている。

愛書を寄贈した前橋市出身の声優、田中敦子さんもプライベートで来場した。

寄贈したのは「ミステリ―作家で一番好き」という島田荘司さんのシリーズと東日本大震災復興支援のためチャリティーで朗読している「文芸あねもね」の作家、柚木麻子さんや彩瀬まるさんの本。「私が出した本を読んで面白かったら、他の作品もぜひ読んでいただきたい。前橋と作家が繋がったら素敵ですね」と話していた。

 

▲来場した声優の田中さん

▲俳優、堺雅人さんは司馬遼太郎さんの「街道をゆく」を寄贈

▲作家の林真理子さんは1冊1冊に自筆のメッセージを書いたしおりをはさんで寄贈

中央イベント広場では音楽ライブ

前橋中央イベント広場では音楽ライブが開かれ、さまざまなジャンルのアーティスト6組が舞台に立つ。

トリを飾るのはスペシャルサポーター、つじあやのさん。16時15分からウクレレの弾き語りライブを開き、スタジオジブリ映画『猫の恩返し』の主題歌『風になる』をはじめとするオリジナル曲や人気アーティストのカバー曲を披露する。

広場にはキッチンカーも集合。群馬県産の豚肉を使った料理をはじめ、各店自慢の料理が提供された。

▲ステージを飾ったアーティスト

▲前橋駅とBOOK FES会場をつなぐ電気自動車