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「いーぐる」、53年間お疲れさま
10月初めにビストロが開店
2023.09.05
前橋中心街の五差路近くにある「キッチンいーぐる」が8月いっぱいで閉店した。開店して半世紀余り。美味しくて、種類が豊富で、盛りのいい定食は周辺の会社員から絶大な支持を集めた。店はすでに改装工事に入り、10月初めにビストロとなって生まれ変わる。
洋食、焼き魚、多彩な定食人気
「53年間、イーグルを支えて下さった皆様 心より感謝申し上げます 8月31日をもちまして イーグルは閉店いたします」。
平屋の小さな店舗の窓に手書きの張り紙が張られている。知らずに立ち寄って、初めて閉店を知ったお客さんが残念そうに引き上げていった。
店は1970年に開店、マスターが乗るバイクが看板のように店頭に置かれていた。洋食を中心に焼き魚やカレー、パスタなど多彩なメニューを提供した。
小さな厨房でこれほどまで多くの料理を手際よく調理するマスターの腕は名人芸。昼時間の少ない会社員にはありがたい店だった。
生命保険会社に勤める女性職員は「エビフライ、カニクリームコロッケと生姜焼きのC定食が好きだった。ファミレスでは出せない味でした」と残念そう。
常連の一人は閉店の理由について、「マスターは以前から『もうくたくた』『やり切った』とこぼしていた。半世紀過ぎたので”卒業“でしょう」と説明する。
店は改装し、10月初めには「ビストロ欅」として生まれ変わる。シェフを務める萩原達也さんは「いーぐるさんにはお世話になりました。縁あって店を引き継ぐ形になり、いーぐるさんの思いを引き継いで長く愛される店にしていきたい」と話している。
炉端焼き「作平」も惜しまれつつ閉店
いーぐると道路を隔てて南側にあった居酒屋の「作平(さへい)」も3カ月ほど前に閉店した。
前橋では数少なくなった炉端焼きの店として人気だった。ご主人が1人で切り盛りしていたが、体調を崩されたようで、長く掲げた暖簾を下げた。