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アーツ前橋の特別館長
南條史生氏の就任が濃厚

2023.03.07

アーツ前橋の特別館長 
南條史生氏の就任が濃厚

 アーツ前橋(前橋市本町)の特別館長に森美術館特別顧問、南條史生氏が就任することが確実な情勢になった。4月1日に前橋市文化芸術戦略顧問に委嘱される。専門職の館長が2年間不在で、市職員の事務館長のみの異常事態が解消されそうだ。南條氏は森美術館の館長時に斬新な企画を仕掛け、インバウンドによる集客を増やし国際展の総合ディレクターを務めるなど、現代アートの第一人者。前橋のパブリックアート、イベント、パフォーマンス、展覧会など幅広いアート活動を活性化させると期待されている。
 

アートでワクワクする前橋

南條氏は3月7日、前橋新聞「me bu ku」の取材に対し、「前橋市からはアーツ前橋の特別館長就任を含め、芸術教育やイベントまで幅広い分野での協力を依頼されている」と説明。館長就任については「自分がやるのがいいか、他に適任者を見つけてお任せするのがいいか。市と相談しながら4月中には決めたい」としている。

都内で同日開かれた白井屋ホテルの書籍出版記念パーティーではトークセッションに参加、「新しい美術館をやるなら、いままでだれもやったことのないことをやりたい。『アートでワクワクする前橋』をキャッチフレーズにしよう」と呼び掛けた。

前橋市の山本龍市長は「アートデザインシティーを目指す前橋。前橋文学館の萩原朔美館長と両輪になって活性化させてほしい」と南條氏の就任を要望。アーツ前橋は2021年の前館長退任後、後任者を公募したが適任者が見つかっておらず、南條氏の就任が濃厚だ。

南條氏は慶応大文学部哲学科美学美術史学専攻卒業。森美術館の立ち上げに携わり、2006年から19年まで同館2代目館長として活躍。外国人向けプログラムの充実やバイリンガル対応に力を入れて外国人旅行客を増やし、斬新な企画で集客を飛躍的に伸ばした。

ヴェネチア・ビエンナーレ日本館、台北ビエンナーレ、横浜トリエンナーレ、シンガポールビエンナーレ、茨城県北芸術祭、北九州未来創造芸術祭など数多くの国際展の総合ディレクターも歴任している。