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天国から育英サッカー部応援
「ひたすな」の塩野さん逝去

2025.12.26

天国から育英サッカー部応援
「ひたすな」の塩野さん逝去

 目を疑う記事を見つけたのは12月に入ってからだった。上毛新聞のおくやみ欄。大好きだった定食の店「ひたすな」のご主人、塩野隆幸さんの訃報があった。享年56。早すぎる死だった。

家族に、常連に愛されて

 人情味あふれる人だった。店名は花の名前を付けた4人の娘さんの最初の1文字を順番に続けた。

 やはり早死にしたお兄さんが開いた焼き鳥店「あきら」の看板も守った。あきらは20周年、ひたすなは10周年の記念の年だった。

▲「ひたすな」の外観。店の前にはいつも花が飾られていた

 どちらの常連客にも愛された。前橋育英高の近くにあり、ことさら運動部員をかわいがった。「強くなってほしいからね。つい、『もっと食え』ってご飯を愛情盛りにしちゃうんさ」。柔道部員に出した定食の量に驚いていたら豪快に笑い飛ばしていた。

▲安くて旨くて大盛りの定食

 8月に体調を崩して入院した。「余命宣告を受けたけど、本人は家に戻って、店をやりたがっていた。2年連続日本一がかかる育英高サッカー部のことも気にかけていました」と奥さんのゆかりさん。

 体調が急変して11月に入院、再び家に戻ることはかなわなかった。

 店の前には「休業中」の札が寂しそうに下がっている。働き通し、長い休みをもらった塩野さん。天国から育英イレブンの雄姿を見守ることだろう。

▲仲良く店を盛り立てた塩野さん夫妻