interview
聞きたい
日米両サイドからみる前橋空襲
「戦後80年 前橋空襲を知る」講演会
2025.06.10
前橋空襲の実像に迫り、平和の未来を考えるまちづくり講演会「戦後80年 前橋空襲を知る」が6月28日に開かれる。今春開設された「前橋空襲と復興資料館」の見学、空襲を生き抜いた歴史的建造物である群馬県庁昭和庁舎での講演会の二部構成となっている。主催は特定非営利活動法人波宜亭倶楽部。
(取材/中村ひろみリポーター)
生存者が語る悲劇と日米資料が示す事実
講演会では、2人の講師が前橋空襲を解説する。その一人、原田恒弘さんは1937(昭和12)年生まれの前橋空襲体験者。1945(昭和20)年8月、当時7歳だった原田さんは、広瀬川河畔に造られた防空壕で被災した。近代的で堅牢なため「ここに逃げ込めば助かる」と言われた防空壕だったが、実際には爆撃による熱で蒸し焼きのような状態になったり、窒息死したりするなど、多くの人々が命を落とした。
原田さんは、その中で生き残った数少ない生存者の一人である。長年にわたり考古学の調査・研究に携わってきた専門家としての知見を持ちながら、自身の壮絶な体験を語り継いできた。高齢となったいま、原田さんから直接話を聞くことができる貴重な機会となる。
▲原田さん
もう一人の講師、田名網雅久さんは、市の文化財保護指導員などを務めている。今回の講演会では、原田さんの体験談に加え、アメリカの公文書(米国戦略爆撃調査団)など日米双方の視点から、客観的に前橋空襲を捉え直す。
たとえば、「群馬県庁の建物は戦後の占領期に米軍の使用目的のため、意図的に爆撃の標的から外された」という、まことしやかに語られてきた説がある。こうした都市伝説的な話が事実であったのかを、米軍の作戦関連資料などから検証していく。
新設の資料館 解説付きで見学
講演会に先立ち、13時からは、今春、昌賢学園まえばしホール(前橋市民文化会館)内にオープンした「前橋空襲と復興資料館」の見学会が行われる。当日は資料館解説員による解説付きで、空襲の被害や復興の歩みを学ぶことができる。
見学会の後は、1928(昭和3)年に建設され、前橋空襲の戦火をくぐり抜けた群馬県庁昭和庁舎に会場を移して講演会が開かれる。
資料館の見学のみ、講演会のみ、あるいは両方に参加することが可能だが、いずれも事前予約が必要。参加費は無料。
▲前橋空襲と復興資料館
波宜亭倶楽部まちづくり講演会「 戦後80年 前橋空襲を知る 」
【日時】2025年6月28日(土)13時~14時「前橋空襲と復興資料館」見学会、15時~「日米両資料からみる前橋空襲と体験者の証言」講演会
【会場】見学会:前橋空襲と復興資料館(前橋市民文化会館内)、 講演会:群馬県庁昭和庁舎 35会議室
【定員】 見学会:20人(先着順)、 講演会:78人(先着順)
【参加費】 無料
※申し込みは、下記の予約フォームまたはeメール、電話で受け付けている。
申し込み、問い合わせ
特定非営利活動法人波宜亭倶楽部
- お問合せはこちら
- 090-6947-5156(田中さん)
| メールアドレス | hagiteiclub@gmail.com |
|---|---|
| ホームページ | https://forms.gle/pJsHiQ44L3GKNcec7 |
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