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前橋を企業城下町に
田中さん、小川市長が都内で対談

2025.04.07

前橋を企業城下町に
田中さん、小川市長が都内で対談

 企業が核となる新しいまちづくり「令和版の企業城下町」構想を推進するフォーラムが4月7日、都内で開かれた。ジンズホールディングスCEO、田中仁さんと前橋市長、小川晶さんが前橋市中心街で進む再生事業ついて民間、行政の立場から持論を語り、東京一極集中を是正し活力ある地方を生み出すため企業や中央省庁の一部を地方へ移す「企業城下町」を先駆者として支持した。

2016年にけんか⁉

 田中さんは前橋のまちづくりの核として、かつて「糸のまち」であったことにふれ、①ITのまち②eat(食)③医都(医療都市)-の3点を挙げた。
 大企業の地方移転については、「地域の人の意識を変える。人流が生まれると新しい価値を生み出す」と評価。移転しやすいように教育、文化、食、グリーン&リラックスといったインフラを中心街に整備していることを明かした。
 まちづくりに情熱を燃やす田中さんに対して、小川市長は冒頭、「けんかしたのは2016年でした」と爆弾発言をして会場を驚かせた。イベントにかかる予算執行の方法をめぐって対立があったことを紹介しながら、太陽の会の設立やアーバンデザインの策定を例に、仲間を増やし市民を巻き込んで進める姿勢を高く讃えた。
 大企業の移転については、「市民のマインドが変わるカンフル剤になる」と歓迎した。

▲和気あいあいとトーク

GOTO前橋の世界観を

 前橋市の未来予想図を司会から訪ねられると、小川市長は「前橋らしい風土、歴史の感じられる水と緑の美しいまちづくりのために民間と力を合わせていきたい」と連携の必要性を強調した。
 田中さんは「世界の人が前橋に行こうとなる、『GOTO前橋』の世界観を作りたい。活動してきた実感が沸くし、この妄想を具現化するのが起業家マインド」と力強く語った。

▲一貫したまちづくりの必要性を訴える田中さん

▲民間と力を合わせていきたいと小川市長

企業城下町を100カ所

 フォーラムは「政民官でつくる『新しい企業城下町』躍進フォーラム」と題して、経済人が中心となって呼び掛けた。国会議員や自治体の首長、幹部ら200人が参加した。
 前橋市の事例発表のほか、「スポーツを活用した地域活性」をテーマに地方を拠点にプロスポーツチームを運営するV・ファーレン長崎の高田旭人さん、新潟アルビレックスの高島宏平さん、鹿島アントラーズの小泉文明さんが鼎談した。
 声掛け人の木原誠二衆院議員は企業城下町構想について「日本に100個作ろうと、1月の衆院予算委員会で石破茂首相に申し上げた。地方にこそ伸びしろがある。必ず日本を元気にする」と実現に向け強い意欲を示し、賛同を求めた。

 衆院予算委員会の木原氏の質問と石破首相の答弁はこちらから。

▲政治家、経済人が多数集まったフォーラム