interview
聞きたい
前高 9年ぶり凱旋歌
定期戦で高高に圧勝
2024.10.21
前橋高校と高崎高校の伝統の定期戦で、前橋高が9年ぶりに勝利した。99対72と大差での勝利で、8年間負け続けた悔しさを晴らした。実行委員長の晴日百福(はれび・ももふく)さん(3年)は「校庭のど真ん中に朝礼台を置いて、みんなで歌った凱旋歌が忘れられない」と喜びをかみしめつつ、「高高は来年きっと強くなる。来年勝った学校が真の勝者だ」とアウェーとなる高崎高を舞台にした次期定期戦での勝利を後輩に託している。
部対抗ドローで勢いに
前橋高と高崎高の定期戦は1949(昭和24)年から始まった。野球部など部活動同士で戦う部対抗と綱引きなどの一般対抗の総得点で争う。
伝統的に部対抗は高崎高が強く、一般対抗は前橋高が得意としていた。今回は先行して行われた部対抗で前橋高が健闘、陸上部が15年ぶりに勝利するなどして42対42の同点とした。勢いに乗った前橋高はホーム開催の地の利も生かし、一般対抗を57対30と圧倒して勝利を収めた。
応援団長も兼ねる晴日さんは自ら一般対抗の綱引きに出場し、「最後に3年生が勝ち、3タテできた。練習の成果が出せて感動した」と振り返る。9年ぶりの勝利については、「先輩方が負け続けたまま卒業していった。自分たちは勝って卒業したくて、どうやったら勝てるか研究を重ね、厳しい練習をこなした」と戦術と練習の成果を強調する。
副実行委員長を務める竹澤和真さん(3年)と永井柊さん(3年)はともに野球部出身。勝因について、「各班の班長が綿密な練習計画を立て、選手はやらされるのではなく、自分から練習の精度を上げていった」(竹澤さん)、「実行委員長の存在が大きかった。彼の気持ちのこもった話にみな熱くなり、信頼して付いていった」(永井さん)と説明する。
高崎高との折衝を担当した執行本部長の小林葵さん(3年)は「選手選考が的確にでき、生徒の気持ちを鼓舞できた」と分析するとともに、「互いに相手をリスペクトして戦った」と円滑な大会運営ができたことを喜んでいる。
アウェー戦勝利 後輩に託す
9年ぶりの勝利だが、喜んでばかりいられない。通算成績は27勝48敗(3中止)と大きく水を開けられており、アウェー戦は1991(平成3)年以来、勝利から見放されている。
「定期戦は生徒全員が盛り上がれないと勝てない」。4人は2年生の幹部にそう引き継いでいる。