クラシルの堀江裕介さん講演　
「10年後、世界企業になる」

「金なし、人脈なしからのベンチャーのリアル～勝利への執着～」と題して、１万円で会社を始め、女性を中心に「こんなのがあると助かった」と感謝されるような会社になった急成長の足跡を振り返った。

前橋高校時代、野球部で「誰よりも練習して甲子園を目指した」堀江さんは、ビジネスをバッティングに喩え、「成功の確率が100分の１でも、100打席立てば1度は当てることができる」と失敗を重ねながら果敢に新しいことに挑戦する必要性を説いた。

大学入試前日に東日本大震災に見舞われ、「3・11でスイッチが入った」と起業して世界平和に貢献する壮大な目標を見いだした。「学生のノリ」で始めたビジネスは仲間が次々と辞めていき破綻しかかったが、クラシルの誕生で成長曲線を描き始めた。

王者のようだった競合他社との戦いでは、まったく接点のなかったソフトバンクの孫正義さんから協力を得るため、メディアの取材で孫さんの名前を出し続けた裏技を紹介。ヤフーとの連携にもふれ、「普通にやったら勝てない。他の人が考えないことをやってきた」と説明、ベンチャー企業が生き残り成長するための戦略を披露した。

堀江さんは前橋高出身。慶応大在学中に起業、2016年からクラシルを始め、アプリの月間ダウンロードが4000万を超える超人気動画に育てた。2020年に女性向けメディア「TRILL」の運営会社を合併するなど、４社のM＆Aを実行している。

講演は前橋商工会議所（金子昌彦会頭）の会員交流会として企画した。会員の経営者、幹部社員150人が参加、講演後は交流会で親睦を深めた。