interview
聞きたい
【聞きたい須永さん3▶︎ 】
せわしくない川原町が好き 日本の良さを世界に発信
2021.12.22

米国のホームレスの力強い生き様に感動してアパレルブランド「BEGGARS BANQUET(ベガーズ・バンケット)を立ち上げた須永真一さん。日本語訳は「物乞いの宴」。オリジナルのTシャツにはボストンで撮影したホームレスの写真がプリントされている。メジャーデビューまでした元バンドマン。音楽とファッションの融合を常に意識している。
―「BEGGARS BANQUET(物乞いの宴)」のブランドを昨年立ち上げ、旗艦店を今年6月、地元に出店しました。
「コロナ禍であり、果たしてやっていけるのかと逡巡はしました。でも、こんなときだからこそ、リアルな店を出したかったんです。
オンラインですべてが完結してしまう世の中になりつつあります。連絡はラインとリモートで済みます。人とまったく合わなくても何とかなってしまう。そんな社会、寂しいし、怖いし、つまらないでしょう。人とのふれあいを大事にしたくて、あえて出店に踏み切りました」
―オンライン販売は?
「もちろん、やっていますよ。便利ですから、利用しない手はありません。来店が難しいお客さまもいますし。
でも、できれば店に来てもらい、シャツに触れて、スタッフと会話して、買い物を楽しんでください。微妙な色合いとか、手触りを確かめてほしい」
―出店にあたり、川原を選んだ理由は何でしょう。
「土地が持つ雰囲気が一番の決め手でした。落ち着いていて、せわしくない感じ。時間がゆったり動く、そんな空気が気に入りました。
カフェを併設したのも、ゆっくりしてほしいから。清澄白河の人気店「HAGAN(ヘイガン)」からオーガニックのコーヒー豆を仕入れています。注文を受けてから一杯一杯丁寧に挽いて、挽きたてを味わっていただきます」
―お客さんの反応はいかがですか。
「ショップに来るのは20代、30代が中心ですが、50代、60代の方も興味を持っていただいていますよ。ジーンズにTシャツ姿で来られ、おしゃれだなと感心します。
カフェのお客さまは女性が多いですね。地元産のフルーツを使ったサンドやビーガンのスイーツやクッキーが支持されているようです」
―これからの展望を聞かせてください。
「日本人に生きる勇気を与えたいというのをコンセプトにしたブランドです。次のステップは逆に日本の良さを伝えたいと考えています。日本人の優しさや奥ゆかしさ、おもてなしの心。そんな美しさを川原から世界に発信していく。そんなブランドにしていきたいですね。
そして、最終地点としては社会貢献です」
―どんな貢献を考えていますか。
「すでに、売り上げの一部を自殺防止に取り組んでいるボランティアに寄付しています。さらに、こども食堂を運営する組織であったり、義手や義足を作る研究機関にも広げていくつもりです。
米国のホームレスの生き様から始めたブランドです。彼らを応援することで恩返しできれば最高です」

須永 真一(すなが・しんいち)
1987年11月、前橋市生まれ。専門学校在籍中にロックバンド「クラッチョ」を結成、13年間活動する。米国でホームレスの力強い生き様に感動し、アパレルブランドを立ち上げる。BEGGARS BANQUET(ベガーズ・バンケット)前橋市川原町に2021年6月に誕生したカフェ併設のアパレルショップ。ホームレスの写真をプリントしたTシャツやシャツ、米国の古着などを販売する。