―モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)傘下にある服飾ブランド「KENZO」の新たなアーティスティック・ディレクターに起用されました。
「任命していただき、とても誇りに思います。高田賢三さんがパリで最初のショップをオープンした年(1970年)に生まれ、同じ東京のファッションスクール(文化服装学院)を卒業しました。1993年にKENZOがLVMHグループに加わった年に、ファッションのキャリアをスタートさせました。
賢三さんがオリジナリティを創造するアプローチの仕方は多様な文化の理解に基づいています。それは私のクリエイション哲学の本質でもあります」
―縁がありますね。どのようなチャレンジを考えていますか。
「賢三さんのクラフツマンシップのスピリットを継承し、新たなKENZOを築いていくことは私の30年のキャリアの中で最大のチャレンジでもありますし、チームとともに成し遂げていきたいと思っています。
このようなチャンスをくださったベルナール・アルノー氏とシドニー・トレダノ氏に感謝します」
―「HUMAN MADE(ヒューマンメイド)」の旗艦店を中目黒から外苑前に移しました。どんな狙いがあったのでしょう。
「アパレルはいま、店の在り方が全く変わってきました。物を買いに来るというより、どちらかといえば体験型。ブルーボトルコーヒーさんに協力していただき、ダブルネームで出店させていただきました。
あまり好きな言葉ではないのですが、「映え」ますよね。ブルドックのオブジェがあって、「あそこにしかない」コーヒーを飲むため、わざわざ来てもらう。商品はあまりないので申し訳ないですが。
カウンターの中に『THE FUTURE IS IN THE PAST』と書いています。ブランドと自分のものづくりのテーマです。『未来は過去にある』という意味。温故知新というか。オンラインでモノが売られるようになる中で、なくなっていくものが多い。忘れてはいけない、忘れられていくものを大切にしたいなと。お茶や陶芸の世界には『写し』といういい言葉があります。ブランドも過去のものをリスペクトし、再構築していく考え方で進めています」
―ブルーボトルコーヒーとの協業はどんな縁で?
「中目黒のアトリエにきて3年半ぐらいですが、毎朝、コーヒーを買いに行っています。京都にヒューマンメイドを出店する際、『お店を出してくれませんか』と普通に顔見知りのお店のスタッフに聞きました。
ブルボはヒューマンメイドに似ていると感じていました。すごくこだわりを持ってやっている。海外の人に人気がある。魅力的なブランドだと思います」
裏原宿系ストリートファッションの旗手NIGO®
1970年12月、前橋市生まれ。文化服装学院在学中にDJ、ライターとして活躍、1993年、桐生市出身の高橋盾と原宿に「NOWHERE」を開いた。自身で立ち上げたブランド「ア・ベイシング・エイプ」は裏原宿系ストリートファッションとして世界で大ヒット。エイプ売却後はフリーとなり、「HUMAN MADE」を立ち上げる。サイバーエージェントやアディダス、JINSのサングラス部門のクリエイティブ・ディレクターも手掛け、「ルイ・ヴィトン」からコレクションも発表。ルイ・ヴィトングループの「KENZO」のアーティスティック・ディレクターに就任した。
関連する特集・連載
-
2024.10.14
- 前橋新聞
【デジタルブック】 前橋新聞me bu ku第13号
-
2024.07.17
- 前橋新聞
【デジタルブック】 前橋新聞me bu ku 【特別号】 パワーモール前橋みなみ特集
-
2021.11.29
- 聞きたい
【聞きたい NIGOさん6▶︎】 時代に逆行している街それが強みになる
- クリエイター
-
2021.11.27
- 聞きたい
【聞きたい NIGOさん5▶︎】 ファッション+音楽=カルチャー 僕の中の方程式なんです
- エイプ
-
2021.11.26
- 聞きたい
【聞きたい NIGOさん4▶︎】 高橋盾さんと裏原宿で出店 若者から支持「勢いあった」
- 中山秀征
-
2021.11.24
- 聞きたい
【聞きたい NIGOさん3▶︎】 前橋ってすごい街だった 仲間とファッション語り合う
- ファッション
-
2021.11.23
- 聞きたい
【聞きたい NIGOさん2▶︎ 】 動くことを止めない 話題集めたヴィトンとコラボ
- ヴィトン
-
AD
2021.11.22
- 聞きたい
【聞きたい NIGOさん1▶︎ 】 新たな「KENZO」最大の挑戦 過去をリスペクトし未来を築く
- ブルーボトルコーヒー