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聞きたい

【聞きたい 生形理菜さん▶1】
前橋女子高音楽部から劇団四季へ

2023.07.24

【聞きたい 生形理菜さん▶1】
前橋女子高音楽部から劇団四季へ

劇団四季の俳優として活躍する生形理菜さん。原点は前橋女子高時代に所属していた音楽部だったという。ミュージカルとの出会い、劇団四季を受けるきっかけやオーディションについて聞きました。(取材/阿部奈穂子)

フライドポテト片手に何時間も

―ミュージカルとの出会いは前橋女子高の音楽部だったそうですね。

新入生向けの部活動見学会で、音楽部の発表を見て衝撃を受けました。ミュージカルの一場面をオムニバスみたいな感じで見せてくれたんですけれども。先輩たちがキラキラ歌って踊る姿に、「私もこれがやりたい」と。その場で入部を決めました。

―部活ではどんなミュージカルを演じましたか?

1年のときは「エビータ」、2年は「ウエスト・サイド・ストーリー」。最終学年は、「アイーダ」で主役のアイーダを演じました。

当時は、前橋駅の隣にイトーヨーカドーがあって。練習帰りに地下のフードコートに立ち寄って、みんなでフライドポテトをつまみながら何時間もミュージカルについて語り合いました。青春時代のいい思い出です。

―大学は群馬大教育学部で美術を専攻したそうですね。

小学校の教諭免許と中学校の美術教員免許を持っています。美術を選んだのは、「美しいとは何か」を知りたかったから。絵を描くのも、物を作るのも幼いころから大好きでした。

 

合格。驚きすぎて記憶はゼロ

―大学を卒業し、一般企業に就職されました。

デザイン会社に勤務して、編集の仕事をしていました。休日には、地元の劇団でミュージカルの練習。どちらもすごく充実していて楽しかったけれど、私の人生、このままでいいのかなって思ったときに新聞の広告で、劇団四季のオーディション情報を知り、「ダメ元で飛び込んでみよう」と。

―劇団四季の試験はどんなスタイルでしたか?

試験は歌とダンスと演技、どれか得意なコースで受けられます。私は演技コースで受験しました。

―合格したときの思いは?

正直受かるとは思っていなかったので、驚きすぎて覚えていないんです。緊張して、歌詞も忘れた歌の試験は散々な結果で。ゼッケンを外し、荷物をまとめて帰ろうとしていたときに、一緒に受けた子から「(私の番号を)呼ばれてるよ」って言われて。そこからの記憶はほぼないです。

ーそうとうな倍率だったのでは?

30倍と聞いています。当時は志望動機を書く作文も課題にあったんですよ。魂を込めた作文を通じて、飛び込む勇気とか、エネルギーとか勢いとか、そういうのを評価していただけたのかなあと。みんなからは「キャラクター採用だ」なんて言われていますが(笑)。

 

うぶかた・りな

1988年、伊勢崎市生まれ。前橋女子高―群馬大教育学部美術専攻卒。県内のデザイン会社勤務を経て、2011年4月、劇団四季研究所に入所。同年9月、「思い出を売る男」の花売り娘役で初舞台。「魔法をすてたマジョリン」のマジョリン、「王子とこじき」のトム・キャンティなどさまざまな役を演じる。