interview
聞きたい
【聞きたい北島勲さん1▶】
青春の街 新しいワクワクを
2023.05.15
前橋・中央通りに3月、「手紙舎 前橋店」が誕生しました。1階にビアスタンド、半地下にはイラストを中心とした遊び心いっぱいの雑貨が並び、個性的で感度の高い女性の心をつかんでいます。中央通りに思い入れの深い手紙社の北島勲社長に出店の動機やこれからの仕掛けについて聞きました。
「めぶく。」前橋に可能性感じる
―創業の地である東京・調布市を中心に都市部で事業を展開してきました。前橋に出店した理由を聞かせてください。
ローカルな店を作りたいとずっと思い描いていて、昨年7月、長野県松本市の浅間温泉に1号店を出しました。
前橋の中心街は自分が青春を過ごした思い出の詰まった場所です。にぎやかだったのがいつのまにか寂れ、ショックでしたね。
二度と再生されることはないと思っていたけど、白井屋ホテルの開業をきっかけにした「官民」の取り組みに感銘を受け、可能性を感じました。
ゆかりの人間として、中心街の盛り上がりのムーブメントに一緒に乗り、共に盛り上げてきたいと考えました。広瀬町に昨年5月、配送センターを備えた事務所を開き、出店地の選定を進めてきました。
本当は長野に出店したばかりだったので、もう少し先を想定していたんですがね。半年に2店はコスト面で大変ですので。
でも、前橋のみなさんがすごく応援してくれて、熱意に後押しされて…。同時期に無印良品さんも近くに出店したので、相乗効果も期待できるかなと。いまとなっては、やってよかったなあと。
—出店場所はかつてレコード店のあった場所ですね。
高校時代、学校の帰りに毎日のように立ち寄った。へたくそなバンドをやっていて、レコードを漁り、ジャケットを楽しんだり、視聴したり。
ここには別の店が入る予定だったそうですが、うちが入ることになった。これも運命かなと思います。
独自のクラフトビールを準備
-手紙舎はそれぞれ違った”顔“を持ちます。前橋店は「イラストとビールとサンドイッチ」の冠が付いていますね。
実店舗は7つです。カフェであったり、雑貨店、書店、ビール醸造所などさまざまな店があります。
前橋店は中央通りを挟んで中央イベント広場があるので、ビールとサンドイッチを気軽に味わってもらえるよう、通りに面してビアスタンドを作った。オリジナルのクラフトビールを提供できるよう、準備しています。お楽しみに。
半地下の店は「イラストレーション」をテーマに、30人ほどの作家陣による250種超の包装紙がバイキング形式で楽しめるコーナー、1カ月ごとに作品が入れ替わる展示販売スペースがあります。
—どんな店にしていきたいですか?
うちの世界観が好きでいてくれる人に楽しいサニーサイドなコンテンツを提供したい。いつ訪れても店内あちこちに目移りしてしまうような楽しい空間を目指します。
新しいワクワクすることを提供し続けるのが手紙社の社風です。
ワクワクすることやりましょう、と現場から声が上がることを望んでいます。
雑誌編集者から起業
きたじま・いさお 1967年、伊勢崎市生まれ。前橋高-成城大文芸部卒。映像制作、広告営業を経て、『自休自足』など雑誌3誌の編集長となる。2008年に独立してカフェの運営、雑貨の販売、イベントの企画を手掛ける手紙社を設立。12年に法人化。