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聞きたい

【聞きたい堀雅人さん2▶︎】
『めちゃイケ!』や『朝アニメ』
180度ひっくり返し、面白い角度を探ります

2022.11.03

【聞きたい堀雅人さん2▶︎】
『めちゃイケ!』や『朝アニメ』
180度ひっくり返し、面白い角度を探ります

自ら名乗るなら、肩書きはコント作家。テレビ番組やアニメの構成、脚本を手掛ける堀雅人さん。「笑っていいとも!」や「めちゃ×2イケてるッ!」など時代を代表する人気番組にも携わってきた。堀さん流のコントの作り方について聞いた。

―コントってどうやって作るんですか。

パッと思いつくこともあるし、締め切りで今日中に作らないといけないときは無理やりお題を決めて、考え方の角度を探っていって作ります。方程式みたいなのはあるにはあるけれど、それで作っちゃうと、それなりのものにしかならない。

―考え方の角度とは?

常識とされているものを一回180度ひっくり返してみる。でも180度ひっくり返しても面白くないんですね。単純にまったく逆にするだけだから。ひっくり返したやつを、どうしたら面白くなるか、角度を探っていくんです。見たことのない角度を見つけられたときに面白くなります。

コントの1000本ノックのよう

―『めちゃイケ!』の放送作家をやられていました。放送作家って何人ぐらいいるんですか?

あの番組には10人くらいいたと思います。「こういう場面があります。どういうボケがあるでしょうか」というのを、毎週宿題のように結構な量を出されて、みんなで考えて面白かった人のボケが使われます。

放送作家はコミュニケーション能力が高い人が重宝されて、売れたりするケースも多いんですが。僕はそれが得意ではないので、『めちゃイケ!』の場合は純粋におもしろいことだけ考えていれば、居場所があるという番組だったので、ありがたかったです。

―ネタ帳を持ち歩くことはしないんですか。

いまは持っていませんが、そういう時期もありました。『ZIP!』っていう日テレの番組で、1分の朝アニメを5年ぐらい書いていました。『おはよう忍者隊ガッチャマン』から始まって、『マジンガージップ』までは一人で担当。『おはようハクション大魔王』からはほかの作家さんも入ったんですが、7割ぐらい僕が書いていました。

週に5本コントを書かなくちゃいけないんですよ。5年やって終わったときにざっと数えたら、1300本くらい書いていました。あの時期は移動中も常にネタを考えている感じ。

でも、これでアニメとの接点が初めてできて、自分の仕事の中にアニメの脚本とか、時にはオリジナル作品も作らせてもらえる流れができたので。ありがたい仕事でしたね。

ほり・まさと

1972年、前橋市生まれ。富士見中―渋川高卒。フリーの音楽ライターを経て、2001年~『めちゃめちゃイケてるッ!』『笑っていいとも!』など人気番組の放送作家に。11年~16年、『ZIP!』の朝アニメの脚本を担当。現在は『呼び出し先生タナカ』の構成作家、ショートアニメ『ROLY POLY PEOPLES』の脚本を手掛けている。