gourmet

食べたい

やきとり さくま
炭火と人情 味の交差点

2025.11.21

梅割りで旨さ倍増

 夜の帳が下りて明かりが灯ります。誘われるように縄のれんをくぐると、「いらしゃい」と威勢のいい声。焼き台の前の特等席に座り、まずはビールを一杯。

 「焼き物は?」「一通りで」

▲この漬物が素晴らしく美味しい

 「はい、美味しいお新香。これ食べててね」。長渕剛に似た店主はカウンター越しにお通しを差し出し、手際よく焼き鳥を焼いていきます。塩は2種類を使用。タレはスプレーで吹き付けるようにします。

▲本鶏とかしわ。ねぎまです

▲タン、レバ、中トロもねぎま

 「まずは本鶏、かしら」。炭火で焼かれた鶏肉は柔らかく、香ばしく、いい塩梅です。

 「続いてはタン、レバ、中トロ」。甘さの少ないさっぱりしたタレ。カラシをたっぷり塗って。効くー。

▲こぼれる、こぼれる。うれしい

 ビールを飲み干したら、梅割りに。女将さんがカウンターの上に小皿に乗せたコップに焼酎を並々と注ぎ、梅シロップを入れてこぼします。コップに口を付けて一口飲み、小皿にこぼれた分をコップに。

 「正解。それが正しい飲み方」。店主からお褒めの言葉をいただき、すっかり上機嫌です。

▲店主の一押し、ナンコツ

▲私の一押し、手羽先

 「はい、ナンコツ。抜群だよ」。大きなナンコツは豚肉でしょう。弾力があり、確かに抜群。

 手羽先は串を外して出してくれます。手づかみでむしゃぶりつきましょう。骨の周りはコラーゲンたっぷり。何でこんなに美味しいんだろう。パリパリの鶏皮は七味をたっぷり振りかけて。うん、旨い。

 コリコリの砂肝、ふっくらジューシーのつくね。焼き鳥って、本当に種類が豊富ですね。

▲ジャーキーのような鶏皮

2代目店主も55年

 店主は2代目。先代は広瀬川沿いで居酒屋をした後、70年近く前に焼き鳥店にしたそうです。2代目も焼き台の前に立って、もう55年とか。

 「サラリーマンが会社帰りに一杯っていうのが随分減ったけど、古くからのお客さんの子供や孫まで来てくれる。親父とお袋のおかげですって」。長渕が浪花節を一節。カウンターの客が聞き惚れます。

▲ゴルフが得意な2代目店主

▲湯豆腐やメニューにないナス焼きも

店舗情報

やきとり さくま

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027-231-0712
住所 前橋市住吉町2-8-19
営業時間 17時30分~22時30分
定休日 日曜