風来軒
ずっと残ってほしいラーメン店

JR群馬総社駅近くの古びた平屋建て。看板はなく暖簾も掛かっていません。不安を抱えつつ近づく。プーンとカレーの匂い。大丈夫。営業していました。

テーブルの上にある紙に注文を書き、厨房へ持って行きます。店のお母さん、池田弓子さんが１人で切り盛りしています。「おかあさん幾つになったの」「38歳だよ」。冗談を言えるほどしっかりしていますΩ背中を丸めて、麺を茹で、スープを注ぎます。

「できましたよ」の声が掛かったら、取りに行きます。いつものように半ラーメンと半々カレー。

醤油の色の濃い、昔ながらのラーメン。でも、味はそれほど濃くないので、濃い目をお願いする常連も見かけます。盛り付けが終わってから背脂を回し入れるので最後まで熱々が食べられるとか。

麺は太麺と細麺があり太麺に。平打ちで食感とスープの絡みがいいんです。

具はチャーシューとメンマ、ナルトにホウレンソウ。バラ肉を煮込んだチャーシューは大ぶりで柔らか。味がしっかり浸み込んでいます。

半々カレーといっても普通の店の１人前は軽くあります。以外と辛口で、ラーメンのスープを入れているためコクがあります。

食べ終わったら流しまで食器を運ぶのは決まり。自己申告制でお金を入れ、お釣りを取ります。

他にお客さんがいなかったので、久しぶりにお母さんと話をしました。亡きご主人と店を開いて半世紀。「小さかった子が自分の子供を連れて来てくれる。みんなに会えてうれしい」。いつまでもお元気で。