gourmet

食べたい

めん処田中屋
「冷やし」もうまか

2025.07.29

繁盛店で孤独のグルメ

　「うまかね」。席に着くと同時に、お客さんは注文します。考えません。「お１人さま、うまか」。白い割ぽう着姿の店員さんが厨房に告げると、「ありがとうございます」と店主が気合をこめて返事します。

　お品書きは他にもありますが、ほぼ全員うまか。勇気を出して言いました。「冷しうまかください」

▲提供時はこういう風に置かれます

　提供が早いのもこの店の売り。開店と同時に客足が絶えませんので、見込み茹でをしても、いつでも茹でたてをすぐに味わえます。

　やってきました、冷しうまか。ガラスの容器に入ったつけ汁は豚バラ肉がたっぷり。ただ、湯気は出ていません。ひんやり冷たい。薬味も同じですが、揚げ玉が別皿によそられていました。

▲うどんは1枚でも十分な量があります

▲うどんはたっぷりの汁とともに

　うどんは二段重ねが標準。あめ色に輝いています。太っというどんをつけ汁に付けて。コシの強さは当然ながら熱い汁以上に感じます。

　つけ汁には脂がほとんど浮いていません。豚肉は味がよく染み込み、意外と柔らか。事前に仕込んでおくのでしょう。冷たい肉汁もありですね。

▲冷たい汁でも味が染みこんだ豚バラ

　１枚目をするりと平らげたら、つけ汁に薬味のネギ、ゴマ、ショウガと揚げ玉を投入します。ショウガは味をさっぱりしてくれ、体を温めてくれる効果もあります。冷たい汁こそ入れたいですね。

　揚げ玉が入ったことで、物足りなかったコクが加わります。これぞ、「うまか」。七味も多めに入れ、刺激的な味にして完食します。

▲▼これがうまか。肉汁もたっぷりです

　会計時に店員さんに話を聞くと、冷しうまかは１年中ありますが、まったく注文のない日も少なくないとか。２種類のたぬきに至っては肉を食べられない人向けに「一応用意している」そうです。

　どなたか、お試しを。