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食べたい

寿司割烹 赤坂三十朗
春を愛で、春を食す

2025.04.12

粋なご主人は前橋出身

 東京・赤坂の路地裏に佇む瀟洒な店。外の喧騒を忘れさせてくれます。店主の内田雅也さん(47)は前橋市出身。縁あって初めて暖簾をくぐります。
 旬のおまかせコースをお願いしました。先付けはアナゴの稚魚、ノレソレとホタルイカ。ノレソレのつるんとした舌触りがいいですね。

▲富山湾のホタルイカ。辛子酢味噌和えです

 カンパチとタイのお造りが続きます。この時期のタイは産卵前に栄養が蓄えられた最高の桜鯛。朝、活け絞めしたカンパチも身が締まっています。
 初ガツオも来ました。味付けは醤油麹。脂が少なくあっさりした身に香ばしさが加わります。

▲カンパチ(左)は宮崎、タイは愛媛

▲初ガツオ。勝浦で揚がったそうです

 ここで、若竹煮が出てきました。新タケノコと新ワカメは春先の出会い物。薄味だけどしっかり出汁が効いています。春の野山と海辺に出掛けたよう。
 お薦めの日本酒をいただいていると、絶妙の間で肴が置かれます。強肴(しいざかな)はキンメの焼き物。タレ焼きですが、これも上品な味付け。付け合わせのサーモンの塩辛がいい箸休めになります。

▲若竹煮。出汁もすべて飲み干しました

▲キンメダイはスダチを絞って

豊洲で目利きした旬の魚

 さあ、お待ちかねの握りの番です。静岡県産のワサビを鮫皮で丁寧におろして準備完了。魚貝を切り分け、テンポよく握ってくれます。
 部厚くて甘いホタテ、ユズを掛けたコハダ、甘エビ、アジと続きます。どれもシャリは少なめ。煮切りが塗ってあるのでそのまま一口で食べられます。

▲肉厚のホタテは北海道産

▲アジは石川から

 インドマグロの中トロ、鮮やかな色の赤貝に続いて、バフンウニの軍艦巻き。贅沢の極みです。最後に煮上げたばかりの穴子を炙ってくれました。

▲やっぱり中トロは華があります

▲ウニは北方四島近くのものとか

 内田さんは前橋育英高サッカー部の出身。大阪の名門料理専門学校を卒業、京都で和食、東京で寿司の修業を重ね、8年前に自分の店を持ちました。
 「全国の最高の魚でお待ちしています」と魚貝は豊洲市場で毎朝、吟味して仕入れています。

▲話術も巧みな内田さん

店舗情報

寿司割烹 赤坂三十朗

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03-6277-7706
住所 東京都港区赤坂6-2-6(新井ビル1階)
営業時間 18時~23時
定休日 日曜、祝日