寿司 大黒
値上げに負けない心意気

　JR新前橋駅ロータリーにある暖簾を上げて80年以上の老舗です。昼は食堂、夜は寿司屋兼居酒屋として、周辺の勤め人やご近所の人でにぎわっています。
　カキフライ定食を目当てに久しぶりに訪れましたが、「まだ小粒だよ」と店主の柳沢義一さん。それではいつものにしますか。「上ちらしください」
　「仕入れがどんどん値上がりしちゃってさ、大変なんだよ」「でも、値段は変わってませんね」「お客さんに悪いから。ランチは1000円でお釣りがなくちゃ」

　そんな会話をしていると、ご登場です。お重の蓋を開けたら新鮮なネタがぎっしり。「一番上った」というイクラもシソの上にどんと鎮座しています。
　脂の乗った中トロが２貫あります。ミナミマグロとか。最初と最後に食べることにして、まずは大量のパセリとガリを蓋に避難させます。甘い玉子焼きもデザート用に取っておきます。

　これでようやく、ネタの全貌が現れます。カズノコとカニ爪が存在感を発揮しています。
　ホタテの甘いこと。紋甲イカとタコは安定感のあるつなぎ役です。かんぴょう、キュウリで口直ししたら、エビとカンパチ。重量級のネタを楽しみましょう。
　大トリの前、ここでイクラの出番です。シソに包んでシャリと一緒にいただきます。ちょうどいい大きさの粒がプチプチ。いい食感です。

　では、最後に中トロを。マグロの中で本マグロに続く二番手とされますが、本マグロより甘みが強く、個人的には中トロでは一番の推しです。ワサビを多めに。うん、やっぱり旨い。
　焼魚定食は刺身の小鉢が付くサービス品。根強い人気はタンメンとカツカレーです。宴会もできますよ。