gourmet
食べたい
玉川屋
創業70年 昭和の味守る
2021.08.10
中央通りの最も南に店を構えて70年。使い込んだ暖簾をくぐると、昭和の世界が待っている。木の札のお品書き。創業時に使っていた木の看板はすすけて、かすかに屋号が読めます。
極太で色黒、噛み応えあり
もりそばと1個90円の野菜天を2つお願いした。セイロから零れんばかりのそばは極太で色黒。これは噛み応えがありそう。啜るそばとは別物だ。
コシが強い。加水率は低めだろう。洗練されたそばもいいけど、野趣あふれる田舎もいい。汁はそばに負けないよう力強い。しっかり出汁が取られ、醬油も主張しています。
本棚に古びた一冊を見つけた。『味の談話室』という1978年出版のエッセイ。筆者は大阪の名料亭「なだ万」を実家に持つ俳人の楠本憲吉さんで、食に関する小話や食べ歩いた全国の美味しい店を紹介している。この中で玉川屋を取り上げ、講演で来た前橋でうまいそばに出会ったと記しています。
佐野ラーメンと同じ青竹踏み
そばの作り方も詳しく紹介していて、創業者である大沢三郎さんは従軍した中国で覚えたという孟宗竹を使った手打ちをしているとある。佐野ラーメンの手法だが、そばでは聞いたことがない。これが強いコシの秘訣なのでしょう。
厨房に立つのは2代目の娘婿、幸雄さん。「青竹で麺を打つ技はもちろん、返しや出汁の取り方とすべてにわたって先代の脇に立って見て覚えた」と店の味を忠実に守っています。
夏用に冷やしたぬきなどがあるが、常連さんは裏メニューを頼みます。「もりたぬき」「もりネギ南蛮」と冷たい蕎麦を熱い汁に付けて粋に食べる。
店舗情報
玉川屋
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- 027‐231‐6084
住所 | 前橋市本町2‐1‐19 |
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営業時間 | 11時~16時半(水曜は14時) |
定休日 | 日曜 |