呑処　心花（しんか）
もつ煮も唐揚げも塩がいい

　つまみの旨い居酒屋さんのランチはやっぱり旨いですね。肉料理に定評のある店で、塩もつ煮定食をいただいてきました。もつ煮といえば、味付けは醤油か味噌が定番。もつの独特の味に塩で大丈夫かな？　不安を感じつつ、配膳を待ちます。

　まずは煮汁を一口。もつ煮でこんな食べ方は初めてですね。最初からガツガツ行くのに…。あれっ、上品な味付け。コクのある澄まし汁のようですよ。

　もつにも味がちゃんと含まれています。大ぶりなもつですが、素晴らしく柔らか。そして、まったく、臭みがありません。下処理が完璧です。

　店長さんに「旨い出汁ですね。鰹節ですか」と声を掛けると、「カツオ？　まあ、使っていますが…」とおとぼけ顔。「他は？」「企業秘密です」と笑顔で逃げられました。まあ、そうでしょうね。

　醤油や味噌もいいけど、塩もいい。ご飯のおかずというより、日本酒や焼酎に合いそうです。

　定食には明太子、サラダ、冷や奴と香の物が付いてきますが、豊富なサイドメニューから塩唐揚げも加えました。塩で攻める作戦です。しかし豪華な御膳です。

　鶏肉はジューシー。よくある醤油とニンニクの強い味付けも悪くありませんが、塩の方が鶏肉の旨みを感じられます。これまた、ご飯よりもビールに合うでしょう。って、もう飲むことばかり考えています。

　こちらでいつもいただくのは「ねぎしゃぶ」です。赤城山麓で育った健康な豚肉のしゃぶしゃぶですが、鍋には醤油ベースの出汁が張られています。たっぷりの白髪ネギを豚肉で巻いて食べる手法です。

　これが実にさっぱりして、旨いの何のって。〆にはうどんと雑炊、両方とも楽しめます。