呑み喰い処 前橋亭
地鶏のレバ刺しあり〼

　前橋市中心街の東を南北に走る八展通りに９月に開店しました。一番新しい居酒屋さんでしょう。

　お薦めを伺いますと、「名古屋コーチンとナマズ。前橋ではなかなかお目にかかれないはずです」と和食の世界に入り52年の店主、塩野和美さん。長いキャリアを活かし、独自の入手ルートがあるそうです。

　名古屋コーチンのレバ刺し、ナマズの天ぷら、それと適当につまみを見繕いました。

　ナマズは見かけと違って淡白でさっぱりした味わいです。身は柔らかく、上質な白身のよう。天つゆでは繊細な味を消してしまいますね。抹茶塩を付けていただきます。天ぷらのほか、蒲焼きもあります。

　お通しに出てきた豚の角煮をはじめ、どの料理もしっかりした仕事が施されているのが分かります。

　食事物も種類が豊富で、酒を飲めない方も楽しめそう。昼夜兼行で営業し、昼時はワンコインで美味しい料理を提供してくれます。

　〆はお薦めの焼きそばにしました。二郎系のラーメンのようにゴワゴワした極太麺。シンプルにソースで味付けし、青海苔と海苔を振り掛けて仕上げます。きちんと和食になっていました。

　６月まで暖簾を掲げていた居酒屋「一藤」を居抜きで出店しました。一藤の店主と塩野さんは料理仲間。店を閉めることを知り、バトンタッチしました。

　「この歳まで好きな料理を仕事にできるのは幸せ。この世界には定年がないからね」。２年後に喜寿を迎える熟練の料理人は笑顔で厨房に立ちます。