食堂 はしもと
黒いラーメン 味は…

不思議な空間です。テーブル４席の小さな店内は壁の至るところにメニューが張られています。カレンダーはなぜか５枚。１枚で十分ですが…。

「本日のおすすめ」から野菜炒めとラーメンのセットを注文します。「美味しいよ。みんな食べるの」と女将さんが一押しするギョーザも付けました。

ラーメンが出てきてびっくり。真っ黒です。海苔とスープの色が同じくらい。これはしょっぱいだろうな、と思いつつスープを一口。えっ、濃くない。むしろ、薄口。ほんのり甘みとショウガの香りがします。

麺は中細でわずかに縮れあり。柔らかな茹で加減が何だか懐かしく、ほっとします。

分厚いチャーシューを噛むと、煮汁がじわっと口に広がってきます。スープのカエシですね。あー、旨い。具はほかに、ワカメとニラ。みな同系色です。しかし、これで550円とは、驚きのお値段でしょう。

野菜炒めは逆に色白。塩味でした。キクラゲの黒とニンジンの赤が目立ちます。炒め具合がいいのでしょう、キャベツやモヤシがシャキシャキ。豚肉には下味がしっかり付いていてご飯が進みます。野菜炒めもご飯もお新香も量がたっぷり。食べでがありますね。

ギョーザは大ぶりが６個。餡がぎっしり詰まっています。ニンニク、ショウガ、ニラの香りが効いていますね。お土産にも出るようで、これは確かに人気なのが分かります。

店主の橋本健二さん、女将さんの澄子さん夫妻が切り盛りする店は半世紀にわたって地元の人たちに愛されてきました。健二さんが腕を振るい、澄子さんが笑顔を振りまく。夫婦二人三脚で頑張っています。