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麦亭
哀愁の釜揚げスパゲッティ

2024.06.01

醤油香る「キノコとベーコン」

オープンキッチンの中、大きな釜でスパゲッティを茹でます。静かに対流するよう時折、長箸でかき混ぜ、茹で上がったら大きな竹笊で麺揚げ。スパゲッティ専門店というより蕎麦屋のようです。

本日のご注文は「キノコとベーコン」。フライパンで具材を炒め、茹でたてのスパゲッティと合わせてさらに炒めていきます。一連の静かで無駄のない動きに熟練の技を感じます。

▲ベーコンは味が染みるようにか、手でちぎっていました

▲ハムサラダ。下に裏ごしされたトウモロコシが入っています

カリカリまで焼かないベーコン。キノコはシイタケ、シメジとキクラゲ。バターやオリーブオイルの風味はしません。醤油ベースの純和風スパゲティです。

太めのスパゲッティはアルデンテよりやや柔らかめの茹で具合。これもまた和風に合います。人気のタラコも硬い麺にはなじまないでしょう。でも、しっかりコシはあります。

テーブルには乾燥バジルと粉チーズの入った器があります。バジルを入れると風味が増し、チーズはコクを加えてくれます。

▲スパゲッティはデュラム小麦100%のイタリア・バリラ

▲乾燥バジルと粉チーズ

偶然、一緒になった中学時代の友人は「ミート納豆」。「いつもこれ。納豆にミートソースはお友達だから」とうれしそうに木の器に盛られたスパゲッティと具材をスプーンとフォークで混ぜ合わせます。

友人の連れは「めんたいことイカ」。こちらも木の器で提供されます。海苔が掛かって、ますます和風。「海の幸のパスタ」とはまったく違います。

▲病み付きになるという通称「ミート納豆」

▲女性に人気の「めんたいことイカ」

料理人と画家の“二刀流”

クラシックが静かに流れる店内には利根川やばら園を描いた水彩画が飾られています。店主の塩沢宗馬さんは実は水彩画家。料理人との異色の“二刀流”です。

馬場川通りに釜揚げのスパゲッティ専門店を開いて43年。通りの栄枯盛衰を見守ってきました。「開店した当時のようににぎやかになってよかった」と生まれ変わった通りに優しい視線を送ります。

▲前橋の風景画が目を楽しませてくれます

店舗情報

麦亭

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027-232-0845
住所 前橋市千代田町4-1-18
営業時間 11時30分~14時
定休日 火曜