陳さん館
雷ラーメン守って30年

元祖激辛といえる「上州名物雷ラーメン」を守る陳樹国さんの店。昨年12月に開店30周年を迎えました。文化大革命で祖国を離れ、前橋市にあった上州ラーメン本店で修業し独立しました。言葉に言い尽くせない苦労があったでしょう。

独立時に譲り受けた半世紀以上も前の製麺機を使い、極太平打ち麺と細麺を自家製麺します。平打ち麺の雷ラーメンはまさに上州ラーメンの正統。懐かしみ、遠方から来るお客さんもいます。

これと並ぶ名物が特製肉そば。「お客さんに安くて美味しいラーメンをお腹いっぱい食べてほしいヨ」と陳さんが考案しました。

湯気が立ち上る大きな丼には炒めた豚肉とキャベツ、タマネギがたっぷり。麺は隠れて見えません。

醤油ベースのスープは清湯系ですが、肉や野菜の旨みが加わってコクと甘みを感じます。コショウを多めにするのがいいですね。

麺は細麺。茹でる前に手で揉み込んで縮れを作り、スープと絡ませます。麺の量も大盛り。

最後はラー油と酢をたっぷりかけ、酸辣湯麵のように味変します。確かに美味しくてお腹いっぱい。これが500円とは申し訳ない。満腹、満足です。

陳さんは上州ラーメンの社長から教えられた「初心不忘」の言葉をずっと守っていると言います。

「雷ラーメンがあるからいまの私の店がある。本当によくしてもらった。しっかり受け継ぎ、自分の味も大切にしていきたいね」とさらなる精進を誓います。