閻魔大王
魔界のもつ煮で地獄へ直行

魔界から転生（開店）して１年。もつ煮のテイクアウト専門店です。

お品書きを見ますと、ありましたよ。魔界メニューが。辛さはレベル１から７まで。∞（無限大）もできるとか。「叫喚地獄行」とある４あたりにするか。と思案していたら、「やめた方がいいですよ。人間の食べる物ではありません」と「魔王」を名乗る店主。はい、通常のメニューにします。人間だもの。

定番の「ヘルシーなトロトロもつ煮」と改良版の「トロトロもつ煮2.0」をいただきました。群馬県産の良質な豚もつを使い、部位を変えています。

定番は脂の多い小腸です。それにしてもでかい、柔らかい、旨い。色は濃い目ながら優しい味。ニンニクは使っていないそうですが、ダイコンやニンジンなどの味が加わってまろやかでコクもあります。

改良版は大腸。具はさらに巨大化します。ガツも入り、とろけそうな大腸との食感の違いが楽しい。こちらはピリ辛にしました。粗切り唐辛子と刻みネギを和えた薬味を溶かしながら辛くしていきます。

先ほどから、焼酎のアテにしていましたが、こうなるとご飯がほしい。温泉卵も入れてもつ煮丼に。黄身を崩してかっ込みます。大正解。別売りの「オーガニックな桃色なます」がいい口直しになります。

魔王さまのモットーは「辛さに厳しく、体に優しい」。魔界メニューに使うのはカイエンペッパー、ハバネロなど「タバスコの〇〇倍辛い」と表現される恐ろしい唐辛子ですが、自家農園で農薬を使わずに栽培しているそうです。他の野菜もすべてオーガニック。旨み調味料や砂糖も使わない徹底ぶりです。

日曜、祭日は「門番」を引き連れて人間界のイベントに出没。魔界はどんどん広がっています。