京華支店
味噌ラーメン 本店の味守る

手揉みの縮れ麺。ほんのりニンニクとショウガが香るスープは甘味も感じる。シャキシャキした炒め野菜と挽肉。「京華」の味噌ラーメン、変わりません。

高校時代、部活の帰りに立ち寄ったのは弁天通りにあった本店。注文は決まって味噌でした。ご主人が亡くなった後は奥さまが頑張り、一時期は別の経営者に引き継がれましたが、閉店してしまいました。

支店は本店で修業した相馬敏彦さんが独立、40年前に現在地に移ってきました。

自家製の中太麺を茹でる前によく揉み込みます。麺を茹でている間に強火で一気に野菜と肉を炒め、スープを投入。特製味噌を溶かして味を染みこませます。流れるような調理はこの道55年、熟練の技でしょう。

野菜が蓋になっていつまでも熱々。麺を引き出すと、湯気が立ち込めます。モチモチしながら最後までコシの強さを失いません。スープにもよく絡みます。

後半は自家製ラー油を投入します。さらに酢も入れれば２段階の味変を楽しむことができますよ。

会計時に厨房を覗くと、相馬さんが粉をこねていました。ギョーザの皮を作るのだとか。

「京華で覚えたことを守り続け、安くて美味しいラーメンを味わってもらいたい」と相馬さん。昼食時はミニチャーハンやミニカレーが付いたセットや定食を700円で提供しています。

接客を担当する奥さんの義江さんとは同じ年。２人ももうすぐ喜寿を迎えますが、休みもあまり取らずに頑張っています。京華の味噌ラーメン、いつまでも守ってください。