結城屋石倉町支店
王道ラーメンか本格チャンポンか

手打ちの蕎麦、うどんを極めて控えめな価格で提供し、出前もいとわない地元に愛される町の蕎麦屋さん。実はラーメンも美味しいとか。

ラーメン類は季節ものの冷やし中華を含めて７種類と充実しています。まずは王道のラーメンから。

テーブルに置かれた瞬間、懐かしくて旨い、「懐旨（なつうま）」なのが分かります。かけ蕎麦のような濃い色のスープ、鼻腔をくすぐる鰹節の香り。

スープを一口。あー、これ、これ。スープに蕎麦に使う「返し」や出汁を加えているよう。油はほんのわずか。不自然な甘みがなく、さっぱりしています。

麺は中太で少し縮れがあります。何と自家製。加水率が高めで、もっちりしています。やや柔らかめの茹で具合がこのラーメンには合いますね。

具は味がよく浸み込んだチャーシューに平べったいメンマとナルト。素朴さがかけ蕎麦に通じます。

余韻に浸る間もなく連食しましょう。味噌か、塩味の五目か。悩んだ末にチャンポンをお願いします。

ラーメンとは打って変わって具だくさんです。アサリ、豚肉とタケノコ、シイタケ、キャベツなど野菜がいっぱい。ナルトにカマボコまで。トッピングのようにナスが飾られ、全13種類ありました。

白濁したスープはアサリと野菜の味がよく出て、間違いなくチャンポン。こちらも油は少なく、コクがあるのにあっさりしていて、スープを飲み干せました。

結城屋本店から暖簾分けされ70年。店と同い年の二代目、丸山吉久さんは毎朝４時起きして、蕎麦、うどんに加え、ラーメンも製麺します。「喜んでくれるお客さんがいる限り、蕎麦のように細く長く頑張ります」と笑顔を絶やしません。