三度（みたび）力丸店
ぶっかけで豪快に啜ろう

小麦の緑が目に鮮やかな前橋市南部の穀倉地帯にポツンと一軒、山小屋風の店があります。入口左が麺打ち場。奥の座敷に案内されましたが、ここはカウンターへ。ライブスタジオの特等席ですから。

基本のざるそばからいきましょう。単品のゴボウ天ぷらを付けて。

漆器のお盆に盛られて瑞々しい蕎麦がきました。たっぷり刻み海苔が掛かっています。

海苔を避けて蕎麦を一口。きれいに切り揃えられた蕎麦はコシが強く喉越しもいい。まだまだ美味しい蕎麦屋さんがありました。

汁は鰹節の出汁が効き、カエシは控えめ。徳利に並々入っています。たっぷり付けて啜りましょう。江戸っ子じゃないですから。

ゴボウ天もお見事です。細く切ったゴボウをバラして揚げていて、サクッと噛み切れる食感が秀逸。それに大きさがすごいですね。

改めてメニューを見ますと、ぶっかけが売りのようです。温かい種物以外に冷たいぶっかけが12種類あります。冷やしトンカツ、冷やし肉天なんて変わり種もあります。汁もぶっかけ用なのでしょう。

少し前に紹介した三度の支店で、本店の店主の弟さん、樋口雅之さんが切り盛りしています。朝倉町で営業した時代を含め30年以上。そば粉は茨城や福島から仕入れ、二八で打つそうです。

「打ちたてがいいとい言うけど、少し寝かせた方が絶対旨い」「十割は茹でたてより10分ほど待ってから食べて」。蕎麦湯をいただきながら、独特の蕎麦理論に耳を傾けました。こういうのが楽しいな。