日本一うまいうどんをめざす
めん処　田中屋

「お2人さん、うまかお願いします」「ありがとうございます」。白い割烹着を着た店員さんが注文を告げると、厨房から店主の気合の入った言葉が返ってきます。活気がありますね。

客のほぼ全員が看板メニュー、うまかうどんを注文します。冷たいうどんを熱々の肉汁に付けて食べる肉汁うどんです。せいろ２枚が標準。１枚でも十分に量がありますが、つい２枚頼んでしまいます。

うどんは見込み茹でですが、回転が速いので、いつも茹でたて。２枚重ねで出てきます。大きな器にたっぷり入った肉汁、薬味と漬物がセットです。

冷水で締められた太いうどんはそのまま食べるとコシの強さを感じます。これを汁に浸すと、加わった熱でもちもちに。よく計算されています。

汁はたっぷりの豚バラ肉のほか、揚げ玉と青ネギ入り。肉の脂だけでも旨いのに揚げ玉の油が加わり、「うまか」となります。コクが凄いですね。

一枚目を完食したら、薬味の白ネギ、ショウガ、ゴマを入れましょう。ショウガのおかげで、さっぱりといただけます。さらに七味を投入。味変で、何とか完食できました。

昭和32年に創業したそうです。以前はエビ天丼付きの「はとこ」、角煮丼の「いとこ」といったセットや釜揚げもありましたが、新店舗になってから随分とメニューを絞りましたね。

古い店舗の看板にあった「日本一うまいうどんをめざす」という言葉は店内の額に書かれ、飾られています。初心を忘れない心意気、見習いたいですね。