手をかけた料理にやられる
ばっくどろっぷ

バックドロップといえばアントニオ猪木がルスカとの異種格闘技戦で放った３連発を思い出します。バース、掛布、岡田のバックスクリーン３連発と並ぶ衝撃度でした。店主はプロレスファンかな。

靴を脱いで入ります。フローリングの床に秋田杉の座卓。観葉植物が飾られ、おしゃれな空間です。

プロレス技のような手の込んだメニューが並びます。張り手３発のお通し３品に続いて、キノコとベーコンのサラダ。ドレッシングとマヨネーズ、ベーコンの脂が混ざり、三角締めを決められた感じです。

カツオのたたきはミョウガ、タマネギ、アサツキがきれいに盛られています。卍固めをかけられたようにグーの音も出ません。納豆の唐揚げは意表を突いたドロップキック、刺激の強いナンコツ揚げはエルボーか。チーズ入りの栃尾揚げは耐えられない旨さ。長州力にサソリ固めを決められた藤波辰爾です。

試合開始から１時間が経過。生中、ハイボールを２杯ずつ飲み干し、だいぶ、いい気分です。ここで大技、延髄切りを喰らいました。カリカリ豚肉。ベーコンのようによく焼いた豚肉にニンニクの利いた醤油ベースのタレがかかっています。これは効く。

〆も多彩な技があります。見逃さなかったのがナポリタン焼きそば。上に玉子焼きが乗っていて、何だか懐かしい。バックドロップでホール勝ち。

マスターの関口哲也さんは前橋市中心街でバーを12年、現在地に移り居酒屋として19年営業しています。店名はプロレスとは無縁。「高校時代によく通った渋谷のアメカジの店から取った」そうです。粋でおしゃれなマスターです。