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空っ風家
凛とした田舎蕎麦

2026.06.02

石臼で挽き、赤城の水で締める

 黒みを帯びた山盛りの田舎蕎麦が竹ざるに盛られています。薄のしで平打ち。まずはそのまま蕎麦を2、3本手繰ります。馥郁たる香りとコシの強さ。旨い蕎麦に巡り合えました。

▲量もたっぷり群馬盛り

 北海道・幌加内産と榛東村産の玄ソバを毎朝、石臼で挽くそうです。甘皮まで使う挽きぐるみ。二八で打ち、大釜で茹でたら赤城山の冷涼な地下水で締めます。瑞々しい蕎麦は素朴さとともに気品が漂います。

 野趣あふれる蕎麦に負けないよう、蕎麦汁は出汁の風味が強め。カエシは江戸蕎麦ほど辛くなく、蕎麦をたっぷり浸せます。

▲つけとろ蕎麦。ワサビを効かせて

 注文したのはつけとろ。とろろ汁が喉越しを滑らかにてくれます。蕎麦徳利に追加用の汁が入っているので、贅沢に使いましょう。とろろがなくなったら、もりで味わえますから。

▲とろろが蕎麦に絡みます

 きれいに揚がった野菜天ぷらはナス、カボチャと春菊。塩で味わうもよし、汁に入れて蕎麦とともに食べるもよし。田舎の親戚の家にお呼ばれしたように豪快にいただきましょう。

▲天ぷらは衣少なめでさっぱり

原点はおばあちゃんの蕎麦

 店主の松村安博さんは元々、洋食のコックさん。賄いで食べる肉料理に飽きていたころに食べた蕎麦で少年時代の記憶が蘇りました。

 「農家だったので、夕飯はおばあちゃんが打ってくれた蕎麦。『また蕎麦か』と当時は嫌がっていたけど、急に懐かしく、愛しくなった」。意を決して赤城県道の名店、ささやで修業、1977年に独立しました。

▲蕎麦包丁は桐生の刃物専門店の逸品

 愛用の蕎麦包丁は1・3㌔の重さがあります。半世紀に及ぶ蕎麦打ちで手や腰を痛め、用意できるの「頑張っても30食程度」とか。それでも、暖簾はまだまだ下ろすつもりはありません。

 「うちの蕎麦を求めて通ってくれるお客さんを満足させられるよう精進します」。喜寿の蕎麦職人は蕎麦道の追求を続けます。

▲奥には囲炉裏もあります

店舗情報

空っ風家

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027-283-3773
住所 前橋市柏倉町2691-4
営業時間 11時30分~売り切れ(13時30分ごろ)
定休日 月曜、火曜