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ikoi(いこい)
前橋八幡宮前でフレンチ仕込みの朝食を

2025.08.31

新しい一日が始まる場所

▲「毎日飲めるコーヒー」がコンセプト

 コーヒーの香りが立ちのぼる店内。注文ごとにハンドドリップし、お湯が粉をなぞるように落ちていきます。コーヒー豆は邑楽郡千代田町「HIRAKU  COFFEE」のものを使用。

 前橋八幡宮の目の前に8月23日、オープンしたカフェ「ikoi」。奥様の風夏さんと一緒に、オーナーシェフ木村渓二郎さんが営んでいます。

 朝5時半から仕込みを始め、7時にはお客さまを迎える準備が整います。

 メニューは5種類のモーニングプレート。クロックムッシュ、ピザトースト、アボカド&エッグトースト、ベーグルサンド、トースト。サラダとスープが付き、すべてワンプレートで運ばれてきます。

 この日、私はクロックムッシュを選びました。前橋の老舗「アジアパン」の食パン2枚。間に手作りのペシャメルソースとロースハムが挟まれ、上からチェダーチーズをたっぷり。さらに手作りのフライドオニオンがこんがりと香ばしい。

▲ペシャメルソースのきめ細やかさ

 口に入れると、まずソースのなめらかさに驚きます。軽食というより、フレンチの一皿。東京ディズニーシー・ホテルミラコスタや東京ディズニーランドホテルで7年修業したシェフらしい技です。

細部にこそ宿るこだわり

 添えられたサラダにも驚きがあります。人参のドレッシング。素材はシンプルなのに、舌に残るクリーミーさがただものではない。乳化の具合を見極めながら手作業で仕上げるのだと聞きました。細かな部分にまで、積み重ねてきた仕事の跡がにじみます。

▲ドレッシングに驚きました

 一緒に行った連れはアボカド&エッグトーストを選びました。マッシュされたアボカドの緑。その上にのる卵は、黄身がほどよくとろける半熟。見た目にも鮮やかで、口にするとふっと心が軽くなる味です。

▲アボカドの鮮やかな緑を出すため、いったん冷凍にするそうです

 奥様の風夏さんの接客は明るく朗らか。爽やかな酸味をもつコーヒーとともに、朝の一時間がゆっくりと流れていきました。

 現在はモーニングだけの営業ですが、9月中旬からはランチとカフェタイムも始まります。こちらのお店の前身はかつて40年間続いた喫茶店「drip」。dripが大切にしてきた「朝から開いている店」の記憶を、木村さん夫婦が受け継いでいく。前橋のまちなかに、新しい習慣が生まれそうです。

▲ウェディングプランナーだった風夏さんと、シェフの渓二郎さんご夫婦

店舗情報

ikoi(いこい)

住所 前橋市本町二丁目7-6
営業時間 7時~12時(2025年9月中旬まで)

9月中旬以降
MORNING 7時~10時(L.O.9時30分)
LUNCH 11時30分~14時30分(L.O.14時)
CAFE 14時~17時(L.O.16時30分)
定休日 木曜
ホームページ https://www.instagram.com/__ikoi__/