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JAOS 4度目のバハへ
群馬トヨタGと実走テスト
2025.08.15
メキシコ・カリフォルニア半島で11月に開かれる北米大陸最大のオフロードレース「BAJA(バハ)1000」に出場する4輪車ラリーチーム「TEAM JAOS」とサポートする群馬トヨタグループによる実走テストが始まった。第一歩となるシェイクダウンを真夏のアサマレースウェイ(長野原町)で7日間にわたって実施した。3度目の挑戦で昨年、目標としたクラス別優勝を果たしたJAOS。今回はラリーでは極めて異例の量産型のハイブリッドカー「LEXUS GX550h」で参戦、完走を目指す。
ハイブリッドでラリーに
シェイクダウンの舞台となったアサマレースウェイは1957年に完成、「第2回浅間火山レース」が開かれた浅間高原自動車レストコースの跡地の一部。火山灰質のダートコースで、バハの環境と似ていることから、完成車両の不具合をチェックするシェイクダウンに利用している。
▲「オフロードの聖地」で疾走する
今回は実践を想定したマシン挙動の確認と各部セッティングの最適化を実施した。TEAM JAOSのドライバー、能戸知徳選手とともに群馬トヨタグループから選抜されたエンジニアも現場に帯同、走行データやドライバーとのコミュニケーションをもとにサスペンションや駆動系の調整にあたった。
▲軽快にカーブを回る
▲レースは夜間も行われる
マシンをこれまでのLX600からGX550hに入れ替えたことにより、一から車両製作をしなければならなかった。ハイブリッドモデルならではのマイナートラブルはあったものの、大きな問題は発生せず、LXで培ってきた3年間に及ぶデータを投入できたことで想定を上回る仕上がりになったという。
▲本番を想定しながら調整するメカニック
▲ジャオスの監督を務める赤星大二郎(左)とメンバー
▲横田衛社長(左)と群馬 トヨタグループのメカニック
マイナートラブルの確認のため、9月にもう一度走行テストを行い、9月中旬に車両を北米に向けて送り出す。
今年は11月14日(現地時間)がスタート日となり、1000マイル(1600㌔)先のゴールを30時間かけて走破する。
▲仕上がりに手ごたえを感じている能戸ドライバー
能戸ドライバーは「挑戦はまだ始まったばかり。今年は新マシンでの参戦。しかし、チームメンバーたちの情熱と現場での試行錯誤が、確実にマシンを進化させています。次なる走行テスト、そして本番のBAJA1000に向けて、チームの士気はますます高まっています」と手ごたえを感じていた。
3回目の挑戦でクラス優勝
TEAM JAOSは4WD向けパーツメーカー、ジャオス(榛東村広馬場)の社員で構成、群馬トヨタグループとともに2022年からバハ1000に参戦している。前回はストックフル(市販車無改造)クラスで優勝するとともに、能戸ドライバーは単独で完走した「アイアンマン」の称号を手にした。今回から新3カ年計画を策定、ハイブリッドの「LEXUS GX550h」で参戦する。
▲クラス別優勝を果たした前回大会
100㍄、不眠不休で走破
BAJA1000 メキシコのバハ・カリフォルニア半島で毎年11月に開かれる自動車と二輪車のラリーレース。1967年から始まった。大半が砂漠や山岳のコースを通常1000㍄(1600㌔)、2日間不眠不休で走り切る。半数以上が途中棄権を余儀なくされる北米大陸最大にして、最も過酷なレースとされる。


