interview
聞きたい
【聞きたい FLYING KIDS ▶後編】
100歳までやる
だからみんなついてきて
2025.07.26
FLYING KIDSの原点は、1988年に前橋で開催されたエフエム群馬の音楽コンテスト「ROCKERS’88」。そこで芽吹いた種は、翌年のテレビ番組「三宅裕司のいかすバンド天国（イカ天）」出演で一気に開花し、全国区のバンドとして走り続けてきた。後編では、“100歳までアーティストを続ける”という浜崎貴司さんの覚悟、メジャーデビュー35周年ツアーについて語ってもらった。
（取材／阿部奈穂子）
オセロが一気にひっくり返った
――結成当初の話を聞かせてください。
浜崎 宇都宮東高時代の仲間、加藤英彦とその先輩、中園浩之さんと1986年に結成してゆるゆるやってたところに、２年後、大学が一緒だったフセマン（伏島さん）が「俺がリーダーになる」って言って加入してきた（笑）。いろんなオーディション見つけてきたり、エフエム群馬のROCKERS’88に応募したり。デモテープ作ったり。素早い実行力で。
――ROCKERS’88の結果は？
伏島 大賞は逃しましたけど、２位にあたる上毛新聞社賞をもらって。賞金はなかったけれど、ライブ音源がレコードになる副賞があって、初めての“受賞”でした。うれしかったなあ。
▲伏島さん
――その翌年、「イカ天」でブレイクしました。
浜崎 今まで否定されてたことを、真逆に解釈してくれたんですよ。ボーカルとドラムの感じが、ファンクをベースにした新しい音楽になってるって、ちゃんと理解してくれた。
当然僕たちはそれを狙ってたし、革新的にそこへ向かってたけど、当時の音楽のあり方とはちょっと違ってて、それを伝えきれなかった。理解されないもどかしさがあったんです。
それがイカ天に出たことで、一気に評価が変わった。まるでオセロが一気にひっくり返るみたいに、突然「かっこいい」って。イカ天がきっかけで、親戚も知り合いも急に増えました（笑）。
▲浜崎さん
35周年ツアー９月に高崎
――1990年、シングル「幸せであるように」でメジャーデビュー。それから35年、長く続いてきた理由は何だと思いますか？
浜崎 「しつこかった」っていうのは、大きいと思います（笑）。お客さんもなんやかんや言ってついてきてくれたし、スタッフもいろいろ変わっていく中で、「FLYING KIDSをやりたい」って言ってくれる人が必ずいたんですよね。それが大きかった。
――これから目指すものは？
浜崎 100歳までやります。フセマンには102歳まで付き合ってもらいます（笑）。
――なぜ「100歳」と？
浜崎 100歳って決めた瞬間に、価値観がガラッと変わったんです。残り40年あるって思えば、これまでのキャリア35年なんてまだ折り返してもいない。伸びしろしかないなって。
お客さんも100歳までつきあうには健康に気を付けて、お金ちゃんと稼いでって思うしね。関わる人みんなにメリットがあるように生きていきたい。その究極が、「100歳までやる」ってことです。
――そして、9月からはFLYING KIDSメジャーデビュー35周年ツアーが始まります。6都市7公演ですね。
浜崎 群馬では９月27日に高崎でやります。ぜひ足を運んでください。
ーー前橋にも来てほしいです。
伏島 前橋高校時代にバンド組んで、仲間たちと切磋琢磨したのが僕の音楽の原点だし、FLYING KIDSにとっても飛躍の街。
来年は前橋でライブやりたいと思います。
――何か新しい企てでも…。
伏島 まだ言えません（笑）
FLYING KIDS メジャーデビュー35周年ツアー ～続いてゆくのかな、つづく～
9月27日(土) 開演：17:00～ (開場 16:00～)
会場 Club JAMMER’S TAKASAKI （群馬県）
チケット 7000円（発売中）
詳細はこちら
FLYING KIDS（フライングキッズ）
1988年結成。現在9人組ファンクバンド。
1989年、TBSの人気番組「平成名物TV・三宅裕司のいかすバンド天国」に出演。3代目イカ天キングとして5週連続勝ち抜きを達成、初代グランドキングとなる。1990年、シングル「幸せであるように」でメジャーデビュー。
その後、スマッシュヒットを連発。19枚のシングルと11枚のアルバムをリリースし、1998年に解散。
2007年に再結成。精力的にフェスへの出演やLive、及び音源の発表を続ける。
2017年から現行の9人編成となり、新たなグルーヴを打ち出す。
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