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前橋市立図書館の歴史知ろう
1月15日からコレクション展後期

2025.01.13

前橋市立図書館の歴史知ろう
1月15日からコレクション展後期

 「前橋市立図書館コレクション展2024後期ー図書館は成長する有機体であるー」が1月15日から始まる。1974(昭和49)年に開館した第3代前橋市立図書館(以下、市立図書館)本館の50周年記念の展示。市立図書館所蔵品を活用し、歴史的資料や過去の事業、歴代館長の著作物などを展示する。また、新本館計画中の今、系統樹を使って市立図書館が未来へ向かって成長する姿を表現する。(取材/柁原妙子リポーター)

まるで博物館のよう

 会場の展示室は2階、階段を上って右手奥。資料を守るために光量を抑え、博物館のよう。展示品は全て市立図書館の所有。学芸員の資格を持つ司書の若井苗さんは「博物館や美術館に値するものを所蔵しているので、市民の皆さんに見ていただけるように機会を設けています」と説明する。

 第1部「図書館の取り組み」では、酒井家時代の厩橋城の瓦、松平家の古文書、萩原朔太郎撮影写真集などがガラスケースに並ぶ。

▲厩橋城の瓦

▲初代の市立図書館の棟札

 第2部は「図書館に関わった人たち」。昭和以前の歴代館長は、前橋の文化を牽引してきた。

 中でも若井さんのイチオシは、第9代館長の萩原進さん。1913(大正2)年長野原生まれの萩原さんの活躍は、一言では括れないほど多岐に渡る。訓導(現在でいう教員)時代の1940(昭和15)年には、桃井小にも赴任している。 1967(昭和42)年館長に就任、8年間務めた。現在の館舎の計画で西洋のミュージアムをイメージした構想を固め、博物館、美術館の要素を持たせ、映画鑑賞のできる視聴覚室も盛り込んだ。

▲厩橋城天守閣復元想像図

「図書館は成長する有機体である」

 一際目を引く存在感の系統樹は、第3部「図書館のあゆみとこれから」。「市立図書館の進化の過程を、ビジュアル化しました」。幹には4本の枝が張り、それぞれの枝のテーマ毎に本館が行ってきた事業などを写真やパネルで示す。現在の大きなテーマである新本館を市民に愛されるものにするために、「過去の歩みを負と捉えず貴重な遺産として活かそう」との思いを込めて、若井さんの他、野澤雅子さん、松村紗希さん、吉澤真由さんの司書4人で協力し、本来業務と平行して制作。

 展示室を活用したコレクション展は2021年から年3回、試行錯誤を重ね開催。企画運営は、今年度は全てこの4人で行っている。

▲系統樹を作る

▲展示を担当した司書たち

 市立図書館は、1916(大正5)年に開館。現在の建物は3代目で、1974(昭和49)年5月15日に運用を開始。今年度は50周年記念の年で、本展示会はその締めくくりを飾る。サブタイトルは、インドの数学者・図書館学者、S. R. ランガナタンの残した図書館学五原則の内の一つから。

▲前橋市立図書館

前橋市立図書館コレクション展 2024 後期ー図書館は成長する有機体であるー

会場 前橋市立図書館本館2階展示室(大手町二丁目12-9)

会期 2025年1月15日(水)〜4月6日(日)

時間 平日9時〜19時、土日祝10時〜17時

(休館日 毎週月曜、2/24は開館、2/25休館)

入場無料