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蕎麦家 りく
「ぬめっこい」十割蕎麦

2024.11.26

喉越しよく濃厚な味

 土曜、日曜限定で十割蕎麦があります。個人的には二八か蕎麦粉9につなぎ1の九一が好きですが、「ここの十割は旨い」との評判を聞きやってきました。
 開店と同時に厨房を覗けるカウンターの端に座ります。店主のきびきびした動きがいいですね。茹でた蕎麦はぬめりを取ったら氷水で締め、蕎麦をつぶさぬようにザルの下から叩いて丁寧に水切りします。

▲ほどよい細さも喉越しのよさを生みます

 中細の気品のある蕎麦です。まずはヒマラヤ岩塩を付けて味見を。甘みが引き立ちます。栃木・那須の寒暖の差が大きい山間部で採れた玄ソバを石臼で挽き、打ちたて、茹でたてを提供します。
 儀式を済ませたら、汁に付けて豪快に啜りましょう。十割にありがちなボソボソ感はありません。喉越しがよく、歯ぬかりすることなく噛み切れます。香りも味も豊か。鰹本枯れ節と鯖節、宗田節から取った出汁に本返しを合わせ力強い汁によく合います。

▲綿実油で揚げたかき揚げはさっぱり

 「ぬめっこいでしょう」。店主の陸川聡さんが手を休めて挨拶に来てくれました。蕎麦を絶賛すると、「玄ソバを磨き、殻をむいて、特別に造ってもらった石臼で細かく挽きます。粉とやり取りして無心に打っているのが大好きなんです」と熱く語ってくれました。

3種盛りで食べ比べを

 蕎麦はこのほか、九一の「白」と二八の「黒」があります。白は十割と同じ蕎麦でつなぎが入る分、より滑らか。黒は高崎・浜川産の全粒粉を使い太めに打った野趣あふれる田舎蕎麦です。

 十割と黒の合盛りや三種盛りもあり、食べ比べも楽しめます。順番に提供してくれるので、茹でたてを味わえるのがうれしいですね。

▲白と黒の合盛りに尾島産のとろろを付けました

 陸川さんは20歳で蕎麦の世界に入り、10年間、軽井沢と高崎の名店で修業しました。念願の店を開いて15年。蕎麦道の追求はまだまだ続きます。

▲蕎麦を語り出すと止まらない陸川さん

店舗情報

蕎麦家 りく

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027-289-4815
住所 前橋市大渡町1-9-4
営業時間 11時~14時30分、17時~20時30分
定休日 火曜、月曜の夜