葉茶屋　
料亭の味 守り続けて半世紀

　昔ながらの友人と秋の味覚を味わいに、前橋駅近くの葉茶屋さんへ。

　白木のカウンターに座り、まずは、サッポロ赤星で乾杯。薄張りのグラスで飲むビールは贅沢な味です。お通しはナメコの煮物。

　メニューは黒板に書かれています。新サンマの刺身、戻りガツオのタタキ、いいですね。秋の味覚。いただきましょう。

　新サンマはお頭付きで、まるで泳いでいるように調理してくれます。脂が乗って美味しい。

　戻りガツオのタタキは「土佐で作るのと同じ方法だよ」と大将の手島哲治さん。炙り具合も、ひたひたのタレも、厚切りニンニクが添えられているところも、すべて満足。

　「うちの畑で採ってきたんだ。箸休めに食べて」。手島さんがサービスしてくれたのはカボチャの天ぷら。細かく切って、食べやすくしてくれています。うれしいな。

　芋焼酎の水割りに切り替え、どんどん料理を頼んでいきます。

　上品なお出汁が香る揚げ出し豆腐に舌鼓を打ち、カラッ、サクっと揚がったイカと野菜の天ぷらに拍手喝采。焼き鳥、スルメイカの刺身も絶品。

　「よく食べてくれてうれしいよ」と大将。だって美味しいんだもん。

　〆はお店の名物、すいとんです。

　葉茶屋さんの創業は昭和50（1975）年なので、来年で半世紀になります。創業時に「何か店の名物を作ろう」とメニューに加えたすいとんは、いまも根強い人気。醤油味で具だくさん。ニンニク風味という意外性が病みつきになります。

　手島さんは東京・築地の料亭「つきじ治作」で腕を磨いたそう。本格的な味をカジュアルにいただける、うれしいお店です。