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昭和40年代の西洋料理 味わって
洋食食堂「覚瑛」9月6日開店
2024.08.27
デミグラスソースのハンバーグ、ルーから手作りするカレーやグラタンetc。前橋市元総社町に9月6日、洋食食堂「覚瑛(かくえい)」が開店する。店主は水野貞明さん、泰斗さん親子。高崎市三ツ寺町のコース料理中心の洋食店を閉め、昭和40年代の西洋料理をアラカルトで提供する食堂として再出発する。新たな挑戦の裏には1冊のノートがあった。
(取材/阿部奈穂子)
50年ぶり 修業時代のノートが復活
「20代の修業時代のノートが50年ぶりに戻って来たんだ」。年輪を重ねた1冊を手にする水野さん。中を開くと、イラストと文字で料理のレシピがぎっしりと記されている。
現在77歳の水野さんは昭和41(1966)年、18歳で東京・銀座の「レストラン紅花」洋食部門で働き始めた。「手取り足取り教えてなんかくれない。先輩の仕事を見て学ぶ。それが当たり前だった」。仕事を終えると、覚えたレシピを細かくノートに書き留めた。
丹精込めたノートを可愛がっていた後輩に貸し、しばらくはすっかり忘れていた。昨年、後輩から「家財の整理をしていたら、水野さんのノートが出てきました」と丁寧に送られてきたという。
それを眺めていたら、「ここに書いてある、昭和40年代の西洋料理をやってみたくなった。一番苦労して覚えた時代の料理をね」
2012年から12年間続いた高崎・三ツ寺公園近くの洋食店「覚瑛」を閉め、新天地、前橋で昭和40年代の西洋料理を提供する食堂として再出発することを決めた。前橋に移転する理由は「音羽倶楽部(前橋市神沢の森)の立ち上げから10年間、料理長を務めていた。そこで出会ったお客様が高崎の覚瑛に来てくれた。私の店には前橋のお客様が一番多いんだよ」
メニューに並ぶのは、カレーやハンバーグ、グラタン、ビーフシチュー、海老フライなど。既製品は使わず、すべてを一から手作りする。
特に力を入れるカレーは、「鶏、豚、海老など具だくさんの昭和のカレーを再現します。野菜を飴色になるまで炒め、小麦粉を入れてブイヨンで伸ばしていくんだ」
丁寧な仕事を心がけるため、店の規模も以前より小さくした。テーブル5席、20人も入れば満員となる。
共に厨房に立つ長男の泰斗さんと一緒に、「手間ひまかかる料理を後世に残していきたい」と意気込む。
店舗情報
洋食食堂「覚瑛」(9月6日開店)
- お問合せはこちら
- 027-212-5485
住所 | 前橋市元総社町840-8 |
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営業時間 | 11時30分~14時、17時30分~20時(時間は変更の場合あり) |
定休日 | 水曜 |