interview
聞きたい
【聞きたい スプツニ子!さん5▶︎】
アーティストのコミュニティーが 前橋を盛り上げる
2022.02.03
様々なテクノロジーによって生まれる可能性のあるモノや思考、ライフスタイル。そんな未来を考察しながら、映像やインスタレーション作品を制作するアーティスト、スプツニ子!さん。テクノロジーはこんなに発達しているのに、なぜ女性は生理の痛みからまだ解放されていないのかという問いから生まれた「生理マシーン、タカシの場合。」、バイオテクノロジーという新しい技術と神話の共存性を問う「運命の赤い糸をはく蚕-タマキの恋」など、取り組む作品のテーマは多岐にわたる。
前橋は多様性のある街
―前橋にいらしたのは何度目でしょう。
「4回目です。中央通り、弁天通り、馬場川通りなどを歩き、いろいろな場所を見せていただきました。すごくポテンシャルがある街だと思いました。びっくりするくらいレトロな街並みも残っているし、新しい建築家のプロジェクトもどんどん増えています。新と旧のコンビネーションが面白いし、多様性も感じます」
―中心街で、気になるお店はありましたか?
「特に印象的だったのは『アツミレコード』。ほかでは見ない店構えで、すごくいいです。看板のフォントも味がありますし、絶対残してほしいです、あの感じ。
パスタが美味しいお店もありました。中央通りの『グラッサ』だったかな」
―今回の撮影は白井屋ホテルで行いました。前橋の新しいランドマークです。
「白井屋ホテルは工事中も伺い、完成後は素敵なアートのある部屋に宿泊させていただきました。
特に、上まで続く柱梁がすごい。元の建物の床をいくつも抜いたことで現れた柱梁、これは世界に二つとない景観です。
また、コンクリートの壁面が多く、アート作品と相性が良いのも素敵なところだと思います」
移住スポットとしての強みを発揮
―ここ数年、前橋に移住する人が増えています。
「リモートワークが進み、東京に住む必要がなくなりました。そんな中、電車で都心から1時間ちょっとの前橋に住むのは賢い選択だと思います。土地や家賃がリーズナブルなのもいい。若いデザイナーや起業家、アーティストたちが移住し、コミュニティーができそうな雰囲気を感じます。特に、アトリエを持ちたいというアーティストにはうってつけの場所かもしれません。
移住して一番寂しいのは、カルチャーから遠くなることなんですが、前橋にはカルチャーもあるし、ギャラリーも多い。美味しいお店もたくさんあると聞いています。今後ますます移住スポットとして強みを発揮するのではないでしょうか」
―アーティストのコミュニティーができると前橋はどう変わると思いますか?
「私はもともとロンドンに住んでいたんですけれど、ロンドンって西に比べて、東ロンドンがどんどんおしゃれになって、地価や家賃も上がっていっています。
それはアーティストたちが東に住んで、みんなでコミュニティーを作っていった結果なんです。そこに、おしゃれなカフェができたり、ギャラリーができたりして街が盛り上がっていきました。アーティスト自身がお店をリノベーションするケースも多いですね。
アーティストのコミュニティーには街を創り、街を盛り上げる力があります。前橋も東ロンドンと同じような可能性を感じます」
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